橋本裕の日記
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| 2004年05月25日(火) |
不思議の国、ニッポン |
日本は昨年度30兆円もドルを買っている。そして、政府は去年ドル買い介入に必要な短期国債の発行枠枠を140兆円にまで拡大した。おどろいたことに、日本のマスコミも野党もこれをほとんど問題にせず、すんなり国会で承認された。こうして日本はこれからもアメリカに巨額な財政援助をしていく体制を確立した。
日本政府はこれを円高阻止(ドルの下落阻止)のためだという。それではなぜ、ドルが下落するかというと、アメリカ政府がドル札を印刷して減税と戦争の費用に使っているから。つまり、ブッシュ大統領は日本のお金を使って、1.7兆ドルという巨額の減税を実行しつつある。そしてこれとほぼ同額の巨額の軍事予算を米議会で承認させて、イラクで戦争をしているわけだ。
ところで、日本のお金はどこから出ているのか。それは私たち国民の年金や銀行預金や、郵便貯金なわけだ。こうした機関投資家が米国債や、米国債を買うための日本国債を買わされている。その結果、日本の年金は破綻し、国民の将来があやうくなっている。
こうした売国的な政策を続ける政府を、私は許すことができない。日本政府はなぜそこまで、アメリカにつくさなければならないのか。こんなことをしているのは世界中で日本だけなので、とても不思議な国だと思われている。アメリカ人のビル・トッテンは「脱アメリカが日本を復活させる」(徳間書店、2000年)でこう書いている。
<アメリカは日本に、日本が輸出で稼いだドルで米国債を買わせる。これで、アメリカにはドルが環流したことになるわけだ。だからドル環流政策という。なぜ日本国民が、アメリカ人に豊かな生活をさせるために働かなくてはならないのか。不思議な話だというしかない。(略)
ヨーロッパ諸国には、なぜ日本がここまでアメリカに従順なのか、理解できないのである。だから、日本はアメリカと組んでヨーロッパを脅かそうとしている、としか思えない。実際、日本がやっていることは、結果としてそのとおりのことなのだ>
ここまで日本はアメリカに尽くしているが、アメリカの方はどうか。「なぜ、アメリカ軍は日本に駐留しなければならないのか」ということで、以前日本の新聞にアメリカの世論調査の結果が紹介されていたが、それによると、「同盟国日本を守るため」というのはほとんどいない。多かったのは、「再び日本がアメリカに戦争を仕掛けないため」という答えだった。
こうした考えを持っているのは、何もアメリカの庶民ばかりではない。クリントン大統領は93年4月、ロシアのエリツィン大統領との電話会談の中で、宮沢首相がG7で新たなロシア支援を打ち出す方針でいたことに言及し、こう忠告している。 「日本人がイエスという時の多くは、ノーの意味だ」 要するに「日本人の言うことは信用するな」とアドバイスしたわけである。
アメリカ軍の女性兵士がイラク人男性をはだかにし、自慰を強制したり、首輪を付けて犬のように引いている写真があったが、あの写真は人ごとではない。はだかにされて首輪で犬のように引かれているのは、じつは私たち日本人でもあるのだ。イラク人と日本人の違いは、イラク人はそれを屈辱だと憤激しているが、日本人は歓んでマスターベーションをしたり、尻尾を振っているということだろう。
自衛隊が派遣されているサマワ市には立派な浄水場があり、自衛隊の300倍(1日2千4百万リットル)もの浄水能力があるという。サモア市内に日の丸をつけた真新しいタンクローリーが走りまわっているが、実はこれは市の浄水道の水を市内にはこんでいるだけ。サモアの人々はこれを自衛隊が浄化してくれた水だと思って感謝しているそうだ。立花隆さんが、「現代6月号」で、渡辺修孝さんのこうした現地レポートを紹介して、こう書いている。
<要するに、自衛隊のサマワ市民のための給水事業などというものは、その実態はほとんどフィクションにすぎないということなのである。日本人はみんな作られた映像を見せられて、立派な活動だと思っているだけなのだ。
こんなフィクションを維持するために、377億円も使って立派な要塞のような宿営地を作り、550人の自衛官を常駐させる必要など全くない。
いったいこの自衛隊派遣は何のためにやったのか。自衛隊のおかげで、日本は国際貢献ができていますという自衛隊の広報宣伝と小泉首相がブッシュ大統領から頭をなでてもらえるという以外のどんなメリットがあったというのか。イラク国民にとって、そして日本国民にとって>
立花さんは、高遠さんのHPに彼女が拘束される前に書かれていた文章もたくさん引用している。その中から、ふたつ孫引きしておこう。
<自衛隊派遣。湾岸戦争の時のように言われたくないから、顔の見える人道援助をしようと躍起になるのもわかりますが、「援助」とは「相手が望んでいることをする」のが鉄則です。今、日本がやろうとしている「援助」はまさに、自己満足の世界、マスターベーション以外の何者でもありません。しかも番長のアメリカに「公衆の前でそれをやれ!」と言われている状態>
<声を大にしていいます。イラク人は自衛隊派遣などこれっぽっちも望んでいません。日本の企業に来て欲しいのです。雇ってほしいのです。自衛隊は「援助」のつもりでも、それはイラク人から仕事を奪うという、絶対にやってはならないことをすることになるのです>
私は大久保利通や伊藤博文を高く評価し、ケネディを尊敬している。そして私は人後に落ちずこの日本という国を愛している。それだけに、私たちの現在と将来を危うくする間違った政策については、容赦なく批判しないわけには行かない。この社会に暮らしている一市民としての義務でもあると考えている。
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