橋本裕の日記
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2004年04月21日(水) メディア・リテラシーのすすめ

 行きつけの喫茶店に「新潮」や「文春」などの週刊誌がおいてあるのでときどき読んでいる。そこには私とは思想信条の違う人たちがいろいろ本音で書いているので、それを批判しながら読むのが楽しいからだ。思想や立場が違っても、事実や論理をごまかさずに誠実に書いている人の文章には好感を持てるし、学ぶべきものがあると思っている。

 しかし、こうした週刊誌しか読まずに、そこに書かれていることを一方的に信じている人がいたら、これはからり危ない情況ではないかと思うことがある。私の場合はたとえ「朝日」であっても、頭から信じようとは思わない。朝日新聞が戦争中に「経営の事情で」右傾化したことは有名である。そして実はこうした一見「良心的」と思われているるメディアが変節したときが一番あぶないわけだ。

 私は広告収入を得ているマスメディアを信用しないことにしている。だからテレビはほとんど見ない。新聞や週刊誌、雑誌はテレビよりは信頼するが、これも基本は商業主義だと思っている。だから、世論が右傾化すれば、内容も右傾化する。そうしたことを勘案した上で、私たちは日頃からメディアリテラシーを磨いておく必要があるのだと思う。千々石ミゲルさんによると、メディアリテラシー 【media literacy】の定義は次のようなものだそうだ。

<情報が流通する媒体(メディア)を使いこなす能力。メディアの特性や利用方法を理解し、適切な手段で自分の考えを他者に伝達し、あるいは、メディアを流れる情報を取捨選択して活用する能力のこと>

 今回のイラク人質事件で痛感したのも、テレビや新聞、雑誌などのメディアの影響力の大きさだった。あるひとつの出来事を伝えるにも、どこをどう強調するかで、ずいぶんと印象がちがってくる。メディアの伝える内容をどう自分で受け止めるかが重要になる。

 メディアのいいなりになるのではなく、メディアを活用して、自分なりの視点をもち、さまざまな出来事に対して主体的な判断ができることが必要になる。国民がこうしたメディア・リテラシーを持たないとどうなるか。政府は自分の都合の良いように世論を誘導し、自分に都合の良い政策を続けることだろう。

 私たちが一番警戒しなければならないのは、権力者による人心の支配である。しかも支配されているという自覚を持たずに、知らず知らずに支配されているという情況が恐ろしい。そこでこうした人心支配はどのようにして進行するのか。スティーブ・ハッサンは「マインドコントロールの恐怖」という本のなかで、支配のレベルを次の4段階で説明している。

�々堝阿離灰鵐肇蹇璽襦兵�由時間と行動の制限)
�∋彖曚離灰鵐肇蹇璽襦福�か×かの紋切り型の思考)
�4蕎陲離灰鵐肇蹇璽襦丙甍�感、恐怖)
�ぞ霾鵑離灰鵐肇蹇璽襦柄�択された知識や情報しか受け付けなくなる)

 たとえば、レベル�,涼奮�として、国歌・国旗の強制があげられるだろう。その際、強調されるのが、「国歌や国旗は無条件に尊重されなければならない」という石原都知事流の問答無用の紋切り型思考である。あるいは、今回の人質事件に見られるような、「迷惑をかけたから謝罪せよ」というような単純な決めつけである。これはレベル�△涼奮�だと言えよう。

 こうした精神的リンチや戒告処分のような被害を受けたり、被害を受けた人の報道に接しているうちに、私たちの心には、「お上に逆らって何かをするととんでもないことになる」という恐怖心や罪悪感が植え付けられる。そして、自己防衛の最後の段階として、権力者によって選択された知識や情報しか受け入れなくなるわけだ。私のみるところ、日本はレベル�い涼奮�に限りなく近づいているように思われる。


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