橋本裕の日記
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2004年04月19日(月) 「非国民」宣伝が奏功

 私のHPの掲示板に、渚のバラードさんが共同通信社の世論調査の結果を書き込んでくれた。Yahoo!Newにあったそうだ。まず、その記事を引用してから、私の感想を書こう。

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人質対応68%が評価 自衛隊派遣賛成は過半数

 共同通信社がイラク人質事件での日本人3人の無事解放を受けて16、17両日に実施した全国緊急電話世論調査によると、事件解決に向けた政府の取り組みを「評価する」と答えた人が68・4%で、「評価しない」の22・1%を大きく上回った。
 犯行グループが要求した自衛隊撤退を政府が拒否したことについては、61・3%が「妥当だった」と回答、「妥当ではなかった」は8・8%にとどまった。イラクへの自衛隊派遣に関しては、賛成が53・2%で、今年1月に陸上自衛隊の派遣が始まって以来の調査で初めて半数を超えた。反対は38・2%。事件発覚直後の今月9、10両日に実施した前回調査では、政府の自衛隊撤退拒否に対して「支持」と「不支持」が拮抗(きっこう)しており、人質が無事解放された結果が評価につながった。
 小泉内閣の支持率は7・2ポイント増え55・6%、不支持率は6・8ポイント減って32・5%だった。(共同通信)
[4月17日20時59分更新]

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3人が拘束されて、「自衛隊が派遣されるとNGPの人道的援助活動が阻害される」という自衛隊派遣反対派の不安が現実化した。これはアメリカの手前、何が何でも「自衛隊派兵」にこだわる小泉自民党や、パックスアメリカーナを是とし、アメリカの国際戦略に荷担する勢力にとって、ほんとうにピンチだった。

 そこで、このピンチをどう逃れるか。その戦略がさっそく立てられた。それが3人とその家族を「非国民」として攻撃することだった。

�。蛙佑�拘束されたのは退避勧告の出ている危険地帯にのこのこ出ていったためだ。そうした軽挙妄動に対する自己責任を追求しなければならない。

�■蛙佑�解放されたのは、政府が水面下で努力した結果である。3人と家族は政府に感謝しなければならない。

��その際、政府は相当の資金を使った。3人とその家族は弁償すべきだし、また迷惑をかけた政府と国民に謝罪しなければならない。

�ぃ蛙佑了�件の教訓はただひとつ、イラクのような危ない国では、人道援助は軍隊によって行わなければならないということだ。

 こうした3人に対するネガティブキャンペーンと自衛隊賛美論がマスコミを使って大々的に行われた。世論調査にはその成果が現れている。自衛隊派兵の危険性が、いつのまにか3人の自己責任の問題に矮小化され、精神的な集団リンチがおおっぴらに行われたのだ。

 なお、政府が本当に人質解放に努力したのかどうかあやしい。新潮や文春はもっともらしく政府が身代金を何億円も払ったと書き立ているが、こうした記事を読めば、苦しい家計をやりくりしている国民はずいぶん迷惑をかけられたと思うだろう。

 ところで政府はこの一年間に30兆円もの米国債を買って、アメリカに仕送りしているのに、これに誰も怒らないのが不思議だ。巨悪には寛容で、小さな過失ばかりにこだわるのはあまり良い趣味とは言えない。

 イラクは危ない国だというが、イラクをそんな国にしたのは、アメリカの侵略と占領政策の破綻である。とくにファルージャに対する非人道的攻撃はイラクの人々にとって許されるべきものではない。民間人拘束という人質作戦をおびき出したのはアメリカ占領軍であったことを忘れてはならない。アメリカが去り、自衛隊が去ることによって、はじめて心のこもった人道支援が可能になるだろう。イラクとイラクの人々を敵視しているあいだは、ただ非生産的な消耗戦が続くだけだ。それはアメリカとイラク双方に不幸なことである。

 そもそもパックスアメリカーナがそれほど魅力的なことだろうか。年間1万人もの人が銃で殺され、180万人もの囚人がいる国である。日本政府から年間30兆円も援助を受けて、それで国民に大減税を行い、戦費を調達し、世界中に武器を輸出し、世界を戦場にしている国である。こんな腐敗した国を自由で民主的な国だと呼ぶ人の気が知れない。本当の自由と民主主義は、多様な価値観を認めて、異質な文化や文明を尊重し、平和共存をはかる寛容の精神から生まれるものだからだ。

 東京都で起こった卒業式での起立拒否職員の大量戒告処分といい、今回の人質パッシングといい、世の中がしだいにとげとげしく不寛容になってきた。朝日新聞の「声」に、「今度戦争なら私らの責任や」という47歳の主婦の意見が書かれていたが、この言葉をかみしめてみる必要がある。

 なお、私のHPの掲示板で、イラク人質問題について、大激論がかわされている。今回それを「イラク問題を考える」という題でひとつにまとめてみた。
http://home.owari.ne.jp/~fukuzawa/iraku.htm


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