橋本裕の日記
DiaryINDEXpastwill


2004年04月17日(土) 民間人という傭兵

 想像していた通り、解放された3人の人質について、その「軽挙妄動」が批判されている。中には人質救出にかかった費用を彼らに償わせろというものまである。私は彼らを日本人の誇りだと思っているが、これについてはすでに何度も日記に書いているのでもう繰り返さない。今日はもう少し、本質的なところに目を向けてみよう。

 イラクで頻発している武装集団による外国人拘束事件は米軍のファルージャ掃討作戦から生じてきているが、さらにこれをさかのぼれば、3月31日にファルージャで起こったアメリカ人民間人4名の殺戮事件にたどりつく。4人は地元の武装勢力によって殺され、そのあと群衆によって数時間にわたり街中を引き回された。そしてそのいたましい事件がアメリカで放映された。

 アメリカはファルージャを閉鎖し、4月4日から総攻撃を開始した。これによってファルージャのモスクが破壊され、住民600人が死亡したと伝えられているが、4月6日の日本人3人を歯切りに、武装勢力側の外国人拘束事件が頻発するようになったわけだ。

 ところで、田中宇さんの「国際ニュース解説4/13」を読むと、殺戮された4人は、「ブラックウォーターUSA」という戦場警備会社の派遣社員で、米特殊部隊の元メンバーだそうである。民間人というよりは、むしろアメリカ軍にやとわれたプロの武装集団である。現在イラクにはこうした武装集団(傭兵)が2万人ほどいるという。

 殺された4人もひと目で米占領軍の関係者と分かる4輪駆動車に乗り、重武装していたから、ファルージャの群衆は彼らを民間人とは考えなかっただろう。元特殊部隊のメンバーだったから、戦闘にかけてはプロである。目つきや身のこなしも並の軍人とは違っていただろう。アメリカ側の発表では彼らは米軍のための食料輸送をしていたというが、これも本当ではないようだ。彼らはむしろいつも最前線で住民に圧力をかけていたに違いない。だから襲われて、あれほどの報復を受けたのだと考えられる。

 そして事件当日の彼らの任務は何かというと、田中氏はずばり、ファルージャの住民を挑発することだったという。それが証拠に、4人が攻撃され、遺体が引き回されて何時間も騒動が続いていた間、その近くに駐屯していた米軍部隊は全く動かなかったという。彼らをおとりに住民を挑発し、これを機会にファルージャを叩きつぶす作戦ではなかったのか、こうした疑惑がアメリカの大手マスコミでも報じられているらしい。田中氏の文章を引用しておこう。

<米軍がファルージャで行ったような、占領下の市民をわざと挑発し、怒らせてゲリラ攻撃を煽り、その上で正当防衛と称して大攻撃を仕掛ける作戦は、イスラエル軍がパレスチナ占領地で行っている手法である。そして、今回のファルージャ大攻撃につながる3月31日の「アメリカの民間人」4人がファルージャで殺害された事件も、米軍側が大攻撃を仕掛けるための口実として起こした可能性が高い>

 もしこれが真実だとすると、ファルージャの住民達はアメリカ軍の挑発に乗ってしまったことになる。しかし、米軍にも誤算があった。それは今やファルージャが反米の象徴となり、全イラクの人々を「ファルージャを守れ」ということで立ち上がらせてしまったことだ。

(参考サイト)  http://tanakanews.com/e0413iraq.htm


橋本裕 |MAILHomePage

My追加