橋本裕の日記
DiaryINDEXpastwill


2004年03月06日(土) 日本は間接資本主義

 以前務めた三河の新設高校では、生徒会の会長を各クラスの室長の互選で選んでいた。全校生徒の直接選挙で選ぶと、教師のいいなりにならない会長が出現する可能性がある。室長の中から選べば、その危険性が少ない。室長を選ぶ段階で、担任はそうした危険人物を排除できるからだ。

 しかしこれでは生徒の意思を生徒会に反映させることはできない。「生徒の、生徒による、生徒のための生徒会」という民主主義の理想からはほど遠い。現に、その学校では生徒会は単に学校行事のための下請け機関でしかなかった。

 私は民主主義の基本は、自分たちのリーダーを直接自分たちの手で選ぶことだと考えている。アメリカやフランス、ロシアをはじめ、多くの国がこの原則で大統領を選んでいる。マニフェスト重視のイギリスの首相も、実質的には選挙民によって選ばれている。この点で、日本は先進国のなかではかなり異質である。

 以上は政治の話だが、経済でも同じようなことが指摘できる。2002年の総理府の統計では、日本の個人金融資産は140兆円あるが、そのうちの85パーセントを郵便貯金や銀行預金、年金の積立金としてもっている。株式の割合はわずか6パーセントで8兆円あまりに過ぎない。

 アメリカの場合、個人金融資産のなかに占める株式の割合は55パーセントを超えている。今、1000万円の金融資産を持っているとして、株価が2倍になったとき、日本人は60万円しか資産が増えないが、アメリカ人の場合は550万円以上も増えることになる。

 日本の場合は、個人による株式の保有が極端に少なく、株式の多くは各種の金融機関や年金基金などの機関投資家の手で運用されている。もとをただせばそれらの機関が保有する資産も国民の預貯金である。国民はそうした機関を媒介にして、間接的に株式市場に参加しているわけだ。アメリカが直接資本主義の国だとしたら、日本は間接資本主義の国だといえよう。日本は何でも「間接」が好きな国である。


橋本裕 |MAILHomePage

My追加