橋本裕の日記
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2004年02月28日(土) 検挙率と有罪率でみる犯罪

 日本の警察は優秀だといわれていた。その有力な証拠としてあげられていたのが、9割をこえる有罪率と、一般刑法犯の6割をこえる検挙率である。たとえば1950年の検挙率は7割りに近かった。これが1985年を境にして、急激に落ち込んだ。2002年はこれが20.8%と、ほぼ2割りに落ちてしまった。

 とくに強盗犯の検挙率の落ち込みが激しい。80%前後であった強盗罪の検挙率が2000年には56.9%にまで落ちた。最近では5割を切ってしまっている。つまり強盗犯の二人に一人はつかまらないわけだ。

 日本の刑事裁判の有罪率は99%、アメリカの陪審裁判による有罪率は78%だという。これは裁判官裁判と陪審員裁判の差もあるだろうが、もうひとつ、日本の検察は昔から有罪が確実だと思われるものしか起訴しないということがある。欧米の裁判所は有罪か無罪か判断するが、わが国の裁判所は有罪であることを確認する場所になっている。これは三権分立の立場からして、重大な問題をふくんでいる。検察が事実上の裁判権を行使していると考えられるからだ。外国人から見ればこれは恐るべき「裁判不在」である。

 ところで2002年の犯罪発生件数は369万件で、一日約1万件。人口10万あたり2240件で、これは戦後の混乱期の数字よりもはるかに悪い。ここ数年、戦後罪悪の記録が更新され続けている。グローバル化が進み、日本も次第にアメリカ並に犯罪の多い国になっていくのだろうか。

 ところで忘れていけないのは、8兆円から14兆円はあるだろうという巨額の脱税だ。脱税も立派な犯罪である。脱税の大口はパチンコ業界とサラ金、それに建設業だ。これらの脱税したカネが裏金として大量に裏社会に流れている可能性がある。ジョナサン・スイフトは「ガリバー旅行記」のなかで、「法とは蜘蛛の巣に似ている。小さなハエは捕まえられても、凶暴なスズメバチには破られすり抜けられてしまう」と書いているが、ガリバーが今日の日本にやってきたら、何というだろう。

 犯罪率の上昇の背景として、失業が考えられる。それは一般刑法犯罪者の半数が無職者でしめられていることからも分かる。つまり5%の人々が50%の犯罪を引き起こしているわけだ。パチンコ屋の近くには「電話一本で現金を出前しますという張り紙が目に付く。パチンコのお金をサラ金でかりる。そしてサラ金地獄に陥り、個人破産、もしくは犯罪というケースがふえているようだ。



橋本裕 |MAILHomePage

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