橋本裕の日記
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| 2004年02月12日(木) |
世界一安全な米国産牛肉 |
アメリカで昨年12月に牛海綿状脳症(BSE)感染牛が発見されて以来、米農務省が感染牛と一緒にカナダの同じ牧場から輸入された80頭の行方を調べていたが、所在が確認できたのは28頭だけで、これを含め、カナダの同じ牧場で飼育された255頭を検査した結果、すべて陰性だったという。同省は「所在を特定できなかった残りの牛も、感染の恐れはほとんどないと確信している」として、調査をうち切った。
これについて、江草乗さんが昨日の日記「江草 乗の言いたい放題」に「米国産牛肉は世界一安全です! 」と題して、なかなか痛快なコラムを書いているので一部紹介しよう。
<その行方もわからないものに対して「危険はほとんどない」と主張できるのだから恐れ入った。農務省の検査官の方々はまさに神である。そんな超能力者を備えたアメリカの危機管理態勢はまことにすばらしい。日本のようにいちいち全頭検査しなくても、全能の神にあらせられる検査官の方々が安全を保証してくださるわけである。>
<確かにあの広い国土のどこに行ったかもわからないBSEの牛を、1000頭に一頭のずさんな検査で発見できる可能性はほとんどないだろう。ここはいったんアメリカに譲歩して輸入を許可してやろうじゃないか。何か付帯条件でもつけてやれよ。例えば「もしも二頭目のBSEが発見されたら日本に輸出した牛肉の代金は全部タダ!」とか。アメリカのずさんな検査態勢では見つかりっこないから喜んで応じてくれるぞ>
<ただ、日本に牛肉をこんなにも輸出したがってるアメリカでは、実は日本産の牛肉は全面輸入禁止なんだ。何しろ日本ではもう9頭もBSEの牛が見つかっていて、そんな危険な国から肉は買えないということらしい。全頭検査していても、「日本のずさんな検査態勢はあてにならない」と禁輸の姿勢は変えてくれないので、それまで神戸牛や松阪牛を使っていたロスやニューヨークの日本料理店は、日本産の霜降り肉が手に入らなくて大弱りなんだぜ。輸出はしたいが輸入は拒否するというこのダブルスタンダードの態度は、戦争の巻き添えで他国民が何人死のうと全く気にしないが、自国の兵士に犠牲者が出ることを極端に恐れる点にも現れているなあ>
年間の食肉消費量が一人当たり日本人の42kgに対して、約120kgというアメリカ人はBSEをあまり気にしていられないのだろうか。しかし、それなら、アメリカよりも厳しい検査を実施している日本の牛肉の輸入を禁止するのはおかしい。江草さんの言うとおり、ダブルスタンダードだと批判されても仕方がない。
05会計年度の予算教書に盛り込まれる米政府の牛海綿状脳症(BSE)の検査費用は、04年度と同じ1700万ドル(約18億円)で、対象頭数は4万頭に過ぎず、全米で処理される年間3500万頭のごく一部だ。輸入再開の圧力が強まる中、「全頭検査」を求める日本側とのギャップは大きい。吉野屋をはじめとする日本の外食産業も在庫がなくなり牛丼の販売を中止しはじめた。今後どのような政治的解決が図られるのか注視したい。
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