橋本裕の日記
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昨日、喫茶店で週刊文春をたまたま手にしたら、「政府審議会」についての記事が目に止まった。その内容を記憶に頼って再現しよう。数字はあっていると思う。
<現在ある政府審議会の数は104 審議会の委員の数は1889名 そのなかで常任の委員は51名 常任委員の年収は2000万円をこえている
委員の人選は各省庁で行う。 51名の常任委員のうち20名は官僚のOBである。 審議会には4大紙の記者からも採用。これでマスコミ対策もばっちり。 委員になると箔がつき、大学教授にもなれるので、記者にはおいしいコース。 これら審議会の一年間の人件費は64億円(ここだけ記憶が曖昧)
道路関係公団民営化委員会の会長だった経団連名誉会長の今井敬氏は税制審議会など、他の4つの重要な審議会の委員も兼ねていて、そのうちの3つで会長。 委員の兼任や再任はめずしくない。官僚の意向に添わない委員はくび。 ただ、いかにも人選が公平で、中味のある議論しているふりをするために、ピエロ役の反対派を加えることもある
審議会の答申は結局官僚主導で作られ、「審議会でこう決まりました」とお墨付きがつく。 民営化委員会のような、官僚の意に沿わない答申が出たら、省庁、自民党部会、国会の委員会のそれぞれの段階で次々に骨抜きにする>
喫茶店の帰り道、馴染みの書店へ行って、本や雑誌を何冊か立ち読みした。経団連会長奥田碩氏(トヨタ自動車会長)は文芸春秋に「死にものぐるいで成長を実現せよ」とブッシュの一般教書とおなじようなことを書いている。読んでみて、そのアナクロニズムにあきれた。週刊文春は何故か触れていないが、彼も又政府審議会の常連である。奥田碩氏が所属するものをあげておく。
経済財政諮問会議 議員 産業構造審議会 会長 交通政策審議会 会長 国土開発幹線自動車道建設会議 委員 社会保障審議会 委員 財政制度等審議会 臨時委員
経団連の名誉会長や現会長、その他の財界の首脳が大勢審議会や懇談会のメンバーに名を連ねている。こうして政府審議会などを最大限利用して自分たちの利益を追求しているわけだ。たとえば、経済運営や財政・予算編成の方針をまとめている経済財政諮問会議には、奥田碩会長とともに、経済同友会の牛尾治朗元代表幹事が参加している。
国土開発幹線自動車道建設会議と財政制度等審議会には奥田会長と経済同友会の北城恪太郎代表幹事とがコンビで入っている。労働、教育、医療、福祉、農業分野の規制を「緩和・撤廃しろ」と主張している総合規制改革会議の議長は、経済同友会の宮内義彦副代表幹事(オリックス会長)で、委員十五人のうち、消費者や労働者の代表は一人もいない。
産業競争力戦略会議は委員十一人中十人までが奥田碩トヨタ自動車会長など財界・大企業の首脳陣で、労働者のリストラばかりでなく、「競争力のない企業は退場せよ」と企業リストラをもとめ、これを受け小泉内閣は、今年四月、「産業再生法」を成立させた。
審議会や懇談会答申がどういうメンバーで、どのように決定されているのか、国民はあまり知らないのではないか。官僚OBと財界首脳で固められ、彼らの利益を最大限実現するために、こうした政治システムが巧妙に利用されている。
経団連は93年に政治献金の斡旋をやめたが、奥田会長は「政治との関係をこれまでより強めたい。そのために政治献金のあり方を見直したい」と、日本経団連会長就任挨拶で述べた。そして、昨年12月に副会長の慎重論を押し切り、政治献金斡旋の復活を決めた。
これから日本の政治はますます財界主導で動くことになるのだろう。政府審議会は政・財・官の癒着の最前線と見た。国民主権とは名ばかり。日本の将来を考えると、空恐ろしいことである。
私は先の戦争の原因の根底に経済問題があったと考えている。天皇制がなかったとしても、日本の軍隊が大陸に侵略していた可能性は大きい。戦争の様子は違ったものになっただろうが、戦争の本質が天皇制にあるのではなく、経済的矛盾のなかにあるのだという点は、大切な認識ではないかと思っている。それは当時のイタリアやドイツ、また現在のアメリカやイギリスをみれば明らかだろう。こうした戦争経済論の視点からも、現在の財界主導のあり方に、大いなる危惧を覚えずにはいられない。
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