橋本裕の日記
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12月13日にNHK総合で放映された「最後の言葉−作家・重松清が見つめた戦争」は胸に応えた。アメリカやオーストラリアには戦利品として、サイパンやガダルカナルなど南方の島々で戦死した日本軍の将校や兵隊の日記や手帖が保管されている。作家の重松清さんがそれらを発掘し、その写しを家族のもとに届けるという内容の番組だ。
日記や手帖から、飢餓や病気で苦しむ戦争の生々しい現実が読みとれる。そうした極限状況に置かれながら、丹念に日記を付け、しかもそれを肌身離さず持ち歩く兵隊達。彼らは何故、最後の最後まで日記を書き続けたのだろう。
直木賞作家の重松清さんが60年ぶりに、それを家族のもとにとどける。無念の中で死んでいった兵隊達の思いが届いた瞬間、弟や妹は涙を浮かべ、90歳を過ぎた母親はすすり泣きを漏らす。死んで行った兵隊達が日記や手帖に書き記していた最後の言葉は、どれも家族への温かい思いだった。
「ただいま」 「おかえりなさい」 という日常の何でもない会話。戦争や死はこうした日常性を破壊する。こうしたなんでもないしあわせがどんなに大切かということ、そしてそれが失われるということが、どんなに悲しいことかということを思い知らされた。
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