橋本裕の日記
DiaryINDEXpastwill


2003年11月25日(火) 美にひそむ√

 法隆寺を案内してくださったガイドさんから、法隆寺の内陣が1対√2の長方形をしていることを教えられた。この√2(約1.414)という数字は、五重塔の庇の比にも使われているそうである。つまり最上階と最下層の庇の一辺の長さの比が1:√2になっている。

 インターネットで調べてみると、有名な聖徳太子と二人の皇子の肖像がにも使われていて、太子と皇子の身長比が1:√2になっているという。このように、古来より日本の文化には1:ルート2の関係が多く見受けられという。

 長方形の短辺を1として、長辺をルート2にした長方形を「ルート2長方形」と呼ぶが、これは二等分しても再びルート2長方形になっているという特殊な性質を持っていて、紙の規格に用いられている。たとえば、B4の用紙は二等分するとB5の用紙になる。A3の用紙は二等分するとA4の用紙になる。これは辺の比が1:√2になっているからだ。

 1:√2という関係性がどこからきたものか、いずれ時間ができたら調べてみたいと思っているが、これによく似た比例数に黄金比がある。ある線を二分したとき、小さい部分と大きい部分との比が、大きい部分と全体との比に等しくなるような分割を黄金分割といい、その比を黄金比という。黄金分割は線分を 1: (1+√5)/2(約1.618)に分割し、とくに縦と横がこの比を持つ長方形を黄金長方形という。

 これは人間がもっとも美しく感じる長方形とされており、古代エジプトのピラミッドやギリシャのパルテノン神殿、ミロのビーナス、モナリザなどがこの黄金比で構成されている。この黄金分割が日本で使われたのは、8世紀のものとされる北葛城郡当麻町・加守寺跡の六角堂に黄金比1:1.618が最初のようだ。これより一世紀さかのぼる法隆寺にはまだ黄金分割は使用されていない。

 日本で本格的に使われるようになったのは、明の国より黄金分割比が伝来した室町時代以降で、桂離宮や浮世絵の構図にもふんだんに使われている。自然界にもオウム貝の殻の渦巻きなどにこの数がみられる。身近なものでは名刺やテレカが黄金長方形でできているという。


橋本裕 |MAILHomePage

My追加