橋本裕の日記
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アフガニスタン、イラクの治安が極度に悪化している。テロが頻発し、国連の職員までが犠牲になっている。これらの国の復興のために尽力していた外国人も、もはやこれまでという感じで引き上げ始めている。
そうした中で、医師の中村哲さんはNGO「ペシャワールの会」代表として、アフガン戦争の前から、アフガンで井戸掘りをしてきたが、今は灌漑用の用水溝を現地の人々と協力して掘っているという。ところが、その作業中に、米軍機がやってきて、機銃攻撃をしかけたという。こうした情況では、NGOの活動も命がけだろう。
中村医師がNHKの番組で語っていたことだが、大切なのは治安の維持であり、人々が生活できる農地の回復である。戦争で荒廃した土地はほとんどが砂漠化しており、そこで人々は生活できない。用水路の工事は砂漠を農地に戻し、そこに生活空間を作りだそうというねらいである。長い間現地で活動しているHGOだからこそ、今一番必要な物が何か、よくわかっている。
用水堀の作業には、もとタリバン兵も、もと北部同盟の兵も参加しているという。「緑の土地を」という共通の願いを持ち、共同作業を行う中で、憎悪や不信が次第に克服され、連帯と理解が生まれつつあるという。
米軍が攻撃したのは、ダイナマイトの爆発音を自軍への攻撃と勘違いしたためらしいが、こうしたおそまつな椿事が発生するのも、米軍がテロの影に怯えて過敏になっているためだろう。あるいは、アフガンが一つになることを恐れた米軍の、誤爆を装ったいやがらせなのかもしれない。
アナウンサーは中村医師に、「どうしてそんなに危険なところで活動をなさっているのですか。日本が恋しくはありませんか」と訊いていた。中村医師の答えは、「日本に帰ろうとは思いません。アフガニスタンの人々が好きですから」というものだった。「彼らはほんとうにいい人たちです。日本では失われた人情というものが残っています」ということだった。戦争で荒廃したアフガニスタンよりも、年間3万人以上の自殺者を生む日本の方が、よほど殺伐としており、荒廃しているということらしい。
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