橋本裕の日記
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| 2003年11月09日(日) |
理念なきマニュフェスト |
今日は衆議院選挙の投票日である。自民党と民主党のいずれが勝つか、場合によっては政権交代が起こるかも知れないという。私は自民党も民主党もそれほど変わらないと思っている。しかし、政権交代はあったほうがよい。長期政権は不正や腐敗、官僚と政治家の癒着を生みやすいからだ。
今回の選挙はマニュフェスト(政権公約)選挙だといわれる。民主党はこれにくわえて、閣僚の名簿も発表した。菅総理大臣、小沢外務大臣、と言った具合である。閣僚ポストを選挙公約にすることはマニュフェストの本場イギリスではあたりまえのことだが、日本でははじめての試みだ。自民党も是非、これを見習って欲しい。もし民主党が政権をとれば、今後このシステムが日本に定着するかも知れない。これだけでも、政権交代の意味はあると思う。
もっとも私は民主党には投票しないだろう。「強い日本を作る」などというたわけたポスターを張り出している政党に一票を投じようという気にはなれないからだ。民主党の「5つの約束と3つの提案」などを読んでみても、そこに感じられるのは単なる人気取りのスローガンで、これという理念や姿勢が感じられない。
たとえば、「週休2日制を見直す」という提案などその最たるものだ。なぜ見直さなければならないのか、肝心の「論理」がすっぽり欠け落ちている。ただ最近の世論に阿っているだけのようにしか思えない。マニュフェスト自身が、ただ政権欲しさのための俄こしらえの安普請でしかない。
週休2日制に関しては、これを見直すというよりも、これをどう「活用」するかという視点が大切だと思っている。今あるものをどう活用するか、その最たるものは1400兆におよぶ国民の金融資産だろう。こうした国民の持てる力をどう発揮するか、政治家はそのビジョンを示さなければならない。その肝心のビジョンが「強い日本を作る」というのではあまりにも情けない。そこに透けて見えるのは、あいもかわらぬ旧時代の「弱肉強食の競争論理」である。
私なら「豊かで安らかな、美しい世界を日本から創る」をキャッチフレーズにするだろう。いうまでもなく、豊かさや安らかさ、美しさの背後にあるのは「共生の論理」である。日本にはアメリカ型ではなく、ヨーロッパ流の福祉国家を目差してもらいたい。人間が幸せに生きるために、国家はなるべく影の薄い存在であって欲しい。ほんとうに大切なのは、この地球をどうやって豊かで美しいものにするか、そのために日本人としてどう生きるかと言うことだ。こうした理念を持てる政党や個人が、これからの時代をリードすることになるのだろう。
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