橋本裕の日記
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2003年10月26日(日) 批判される日本の対外援助

 有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げ成功を報じた英国エコノミスト誌が、「有人宇宙飛行の出来る国に、外国の経済援助は不要」という記事を掲載している。中国が今回の友人宇宙船打ち上げにかけた費用は20億ドル以上と推定されているが、これを可能にしたのは日本からの18億ドルの援助だという。

 有人飛行については、中国の科学者の間にさえ、「AIDSやSARSの対策など、他にやるべきことがあるはずだ」と声が上がっているという。中国の衛生インフラはかなりひどいレベルにあり、国民の健康被害の実態は恐るべきものがある。にもかかわらず、中国が宇宙開発にこだわるのは、そこに米露に対抗して世界の覇権争いに参加しようという軍事目的があるからだろう。

 日本の援助が、軍事独裁政権を支えているという批判は以前からあった。たとえば悪名高いイラクのフセイン独裁政権も日本の援助で維持されてきた面がある。イラクがクゥエートに侵攻した1990年当時、イラクが外国の政府・民間から受けている経済援助の73%は日本からであった。日本に対する累積債務は6千億ドルにも達していた。

 湾岸戦争が終わったとき、日本はアメリカに莫大な資金援助をしながら、結局は貢献が認められず、イラクと並んで「敗戦国」の筆頭にあげられたのはこうした実態が外国のメディアに分かっていたからだ。日本は間抜けで愚かな金持ちだと世界中から嘲笑されたわけだが、その状態は現在も改善されているわけではない。

 北朝鮮のミサイル問題にも同様な構図がみられる。北朝鮮へ不正送金を続け、北朝鮮の資金源となり破綻した朝銀信用組合に、日本政府は1兆3600億円もの公的資金をつぎ込んだが、現実にはさらに巨大な資金が民間レベルで不正送金されていたと思われる。これらが結果的には北朝鮮の軍事独裁政権を肥え太らせ、核開発に向かわせたのだろう。

 一方で、アメリカは極東の軍事的緊張を理由にして、日本に巨大な軍事基地を置いている。そして全国で105カ所、324平方キロにおよぶ在日米軍基地の年間8400億円になる地代は日本政府が肩代わりし、さらに数千億円に及ぶ駐留経費を日本は「おもいやり予算」として計上し、日本国民の税金で負担している。こうして日本はアメリカとその相手国という、対峙する両陣営の最大のスポークスマンになっている。こうした愚かしさを当事者である私たちがもっと認識する必要がある。

 


橋本裕 |MAILHomePage

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