橋本裕の日記
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2002年02月05日(火) イメージの魔力

 イメージは人間を動かす。だから、人を支配し、世論を動かすために、政治家や独裁者はイメージのこの魔術的な力を利用しようとする。私たちはイメージを使う必要があるが、これに支配されるべきではない。

 しかし、往々にして、私たちは誤ったイメージの虜になり、これに心や行動を支配されている。世の中にはこうしたあやまった偏見や先入観が横行している。その結果、思いも寄らない惨事が生じることがある。

 たとえば、ブッシュ大統領は一般教書でテロとの戦争を訴え、北朝鮮、イラン、イラクを「悪の枢軸」だときめつけた。こうした言葉によって、悪のイメージを作り上げ、世界の世論を動かそうとする。しかし、そうしたイメージがどれだけ現実を反映しているのか、必ずしも明らかではない。

 イメージは「論理」と「感情」の成分を持つが、ここで大切なのはその論理的な側面である。もう少しはっきり言えば、イメージがどれほど正しく現実を反映しているか、それは「論証」と「実証」によって明らかにされなければならないということだ。「論証」と「実証」という二本足で立つことで、イメージは単なる幻想や妄想から区別される。

 もっとも釈迦によれば、すべて人間の考えることは多かれ少なかれ妄想であり、幻想である。イメージも又、迷妄の一種には違いない。イメージの魔力から自由になるためには、時には「色即是空、空即是色」という「空」の立場に立って、いくらか醒めた目で世の中を眺めてみることも必要だろう。


橋本裕 |MAILHomePage

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