橋本裕の日記
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アメリカでは毎年多くの人が殺人事件で命を奪われている。ピークは1991年の2万4700人で、そのほとんどに銃が使われていた。こうしたことをうけて、銃を規制しなければならないという機運が盛り上がった。運動の先頭に立ったのは、二人の兄を銃殺されたエドワード・ケネディ上院議員である。
1994年に「資格ある人間にしか銃の所有を認めない」という銃砲規制法が成立した。この後殺人事件は減少し、98年には犠牲者は1万6900に減少した。人口10万人あたりでみると、7年間で36パーセントもの減少である。
こうした統計が示しているのは、銃が殺人事件を作り出しているという実態だろう。全米ライフル協会の主張する、「銃は他人を殺傷する為のものではない。銃は暴力から身を守る為にある」という正義の為の護身論がいかに誤りであるかがわかる。
湾岸戦争を指揮したブッシュ元大統領は大統領職につく前まで全米ライフル協会のメンバーだった。ブッシュに限らず、多くの政治家が全米ライフル協会に関係し、その恩恵と同時に圧力をうけている。
アメリカで有名な銃器メーカーはコルト社を筆頭に、レミントンやウィンチェスターなどがある。コルト社を作ったサミュエル・コルトは1845年にインデアン掃討隊に自社の回転式リボルバーを売り込むことに成功し、その後の南北戦争で大儲けして富豪の仲間に入った。
コルトの一族は早くからハリウッドに関心を持ち、サミュエルの息子は女優エセル・バリモアと結婚している。バリモア家はロックフェラー家やルーズベルト家とも閨閥をもつハリウッドの名門である。「間諜マハタリ」のレイオネル、「アルセーヌ・ルパン」のジョン、「E・T」のドリュー・バリモアなど、多くの俳優を輩出させている。彼らがコルト社製の拳銃で派手に撃ち合い、人殺しの快感と恐怖を民主の間に浸透させ、拳銃の購買欲をそそりたてた。
コルト社をはじめとするアメリカ製の銃器は20世紀に入って、全世界に浸透していった。現在コルト製M16マシンガンは、シンガポール、フイリピン、韓国のコルト工場で作られ、インドネシア、グアテマラ、カンボジア、ハイチ、レバノン、スリランカ、コンゴ、アフガニスタンなどへ大量に輸出されている。
宗教や文化の違い、民族の対立が紛争や戦争の原因だというが、武器がなければ戦争は起こらない。というより、武器の大量生産によって恩恵を受けている闇の勢力が紛争をつくり、戦争を呼び起こしているといった方がよい。もしアメリカが武器輸出をやめて、武器の輸出入禁止を提唱すれば、世界はずいぶん平和になるに違いない。
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