橋本裕の日記
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2002年01月28日(月) 科学基礎知識の定着しない教育

 文部科学省の発表によれば、日本人の科学の基礎知識力は欧米と比較して、14ヶ国中12位だそうである。たとえば、「電子の大きさは原子の大きさよりも小さい」という問いに、○と答えたのは30パーセントしかいない。これでは、下から数えて3番目でも仕方がないか、という気がする。

 調査したのは昨年で、18歳から69歳の約2000人に面接し、欧州連合や米国の調査結果と比べたのだという。問題は10問からなり、○×式である。その全問を朝日新聞から引用しておこう。カッコ内の数字は日本人の正答率(パーセント)である。

�‖舂Δ浪針�年もかけて移動している。(○83)
��現在の人類は原始的な動物種から進化した。(○78)
�C狼紊涼羶管瑤枠鷯錣帽皺垢任△襦�(○77)
�げ罅垢�呼吸に使う酸素は植物から作られた。(○67)
�イ垢戮討諒�射能は人工的に作られた。(×56)
�Δ瓦�初期の人類は恐竜と同時代に生きていた。(×40)
��電子の大きさは原子の大きさよりも小さい。(○30)
�┘譟璽供爾浪伺箸鮟乎罎垢襪海箸覇世蕕譴襦�(×28)
��男か女になるかを決めるのは父親の遺伝子だ。(○25)
��抗生物質はバクテリア同様ウイルスも殺す。(×23)

 つぎに各国の全問平均正答率(パーセント)をあげておこう。
�.妊鵐沺璽�(64) ��英国(63) �J胴顱複僑院法´ぅ侫薀鵐后複僑院�
�ゥ�ランダ(59) �Ε疋ぅ帖複毅検法´Д襯�センブルク(56) �┘戰襯�ー(55)
��イタリア(55) ��アイルランド(52) 

 このあと、スペイン(51)日本(51)ギリシャ(44)ポルトガル(43)と続く。○×の二択問題で正答率が51パーセントというのは、ちょっと信じられないほど低い数字である。さいころを振っても50パーセントだから、日本人はさいころと同様の知能だということだろうか。ギリシャ人やポルトガル人はさいころ以下ということになる。

 この調査結果について、文部科学省科学技術研究所の岡本信司上席研究官は「米国の中高年生はそれほど高くないのに、大人になるとトップレベル」と話しているという。トップレベルと言っても、これは科学のほんとうの基礎知識である。ほとんど中学校で教わる内容であり、高校の入学試験でもこれより専門的な問題が出されている。

 私はこれは知識の「定着率」の問題だと思っている。受験が終わるとすべてを忘れ、すっかり「蒸発」してしまって何も残らない日本人に比べて、受験勉強のないアメリカやヨーロッパの人の方が中学高校でより定着率の高い効果的な学習をしているということだろう。ペーパーテストの一夜漬けの実力は、所詮さいころ並みだということだ。

 分数計算が出来ない大学生のことを話題にしたことがあるが、これも「定着効果」の問題である。大学に進学した彼らの大部分は、もともと分数計算ができなかったわけではない。むしろ小中学校でさんざん計算問題をやらされた口だろう。しかし高校生になると計算があやしくなる。そして大学生になるとバカらしくてやる気も起こらなくなる。

 したがって大切なことは、ただ多量の知識をむやみやたら詰め込んだり、機械的な計算問題の量をこなすことではなく、本当に大切なことを、自分の頭で咀嚼して、充分納得しながら吸収することだ。そのようにして自分の頭で考えて理解し、真実であることを実感した知識は、そう簡単に「蒸発」したりしないものだ。


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