J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年01月15日(木)    あの面接の日が、私にとって運命の日だったの、

J (3.秘密の恋愛)

4. 無常 (8)


レイのその一言は私の心を突き刺した。
私は息の根を止められたかのように言葉が出ない。

(私、工藤さんが、好きでした。)

ああ、何ということをレイは言うんだろう!
だからといって何も変わらないのに!
言わないで欲しかった、その言葉。

俺が何故君への想いを固く封印してきたのか分かるか!
どうしようもないからなんだ。
今更、、、今更そんなこと聞いても、苦しいばかり、なんだよ、、、。


辛うじて私は言葉を返す。
「、、、あ、ああ、そうなんだ、、、。」

レイは私の方を見ずにぼそぼそと話を続ける。
思い出すように。
自分の気持ちを確かめるように。

「私は工藤さんが好きでした。最初から。」

そんなこと。
言っちゃだめだよ、レイちゃん。

「、、、いや、でも、それは、聞かなかったことにする。」
「どうしてですか。」
「君が傷つくよ。」
「そんなこと、ないです、」
「今更、過去の話、俺に打ち明けてどうする、何も得るものがないじゃないか、」

レイはキッと険しい表情をしました。
「得るもの、なんて、望んでもいない、話したいだけ、いい想い出、にしておきたいだけ、
 工藤さんはずるい、自分ばっかり気持ちを打ち明けて、私も、話しておきたいだけ、」

「ずるい、、、。俺が、ずるい、か、」
「そう、ずるい、私だって、いろんな想い、持ってきた、んです、」
「、、、ん、」

レイは一気に話し始める。
私の相槌を待たずに。

「私は、一番最初に工藤さんに逢った時、この人だ、って、思ったの、
 あの面接の日が、私にとって運命の日だったの、」

「工藤さんは私に熱意を持って会社の話を聞かせてくれた、
 うれしかった、この人と一緒に仕事をしたい、そう思ったの、」

「好き、になりたい、自分ではそう思った、けど、工藤さんは、言ったの、
 僕には婚約者がいるって、僕に恋しちゃいけないって、」(参照こちら

「なら、憧れ、でいいや、って、一緒に仕事、できればいいや、って、
 そう思って、会社に入ったの、だから、憧れ、ってさっき、言ったの、」


、、、私は返す言葉なくただ聞くのみしかできない。

レイの話は続く。


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