J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2002年11月14日(木)    優しく私を包み込むような表情

J (1.新入社員)

1.面接 (4)


「よっし、いい返事だ、じゃ、説明しよっか。、、、」
私は話し始めました。

最初のうちはおおまかなことを話したらいいと思って、
一般論を話していたのですが、
そのうちにかなり突っ込んだ話までしてしまいました。

事業の概要、
仕事の内容、
業界の動向、
スタッフの様子、

新規事業なので体制が整っていないこと、
まだこの事業が軌道にのっていないこと、
夜遅くまで仕事をすることになること、
何でもやらなくてはならないこと、
厳しく辛いかもしれないこと、

でも、夢があること、
成果が目に見えてやりがいがあること、
成長する自分をきっと見出せる環境にあること、、、

私はとうとうと説明しました。

それはレイが、
ずっと私の目を見ながら、いちいちに、
「はい。」「はい。」
と相槌を打つものですから、
私はついつい熱く語ってしまったのです。

おそらく一時間も話したでしょうか。
ふっと、私は、未だ入社も決まったわけでもない彼女に対して、
既に多くのことを語りすぎている自分に気づき、
はっと我に返り話を打ち切りました。

「だいたい、以上のような仕事だよ、
 ゴメンね、ちょっと長く話しすぎたようです、
 帰るのおそくなっちゃったね、」

レイは、ニコッとして首を振りました。
「いえ、ありがとうございました。」

その表情は、あどけなさが残っていながらも、
優しく私を包み込むような表情でした。

私はつい心を奪われそうになってしまったので、慌てて、
「ところで、樋口さん、オレに恋しちゃあ、いけませんぜ、
 なんでかって、オレはもうすぐ結婚するんだから、さ。」

(ち、オレはなんてヨケイナコトヲイッテイルノダロウ、、、
 この子には関係ない話じゃないか、、、)
私はつまらぬ冗談を言ってしまったかのように照れ笑いをしました。



ところがレイは、真顔で、
「どんな人なんですか?工藤さんのお相手って?、」
と、初めて私に質問をしたのです。



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