J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年01月04日(日)    だって、想い出の夜、なんだもん。

J (3.秘密の恋愛)

3. 想い出の夜 (16)


私は先ほど皆と飲んだ酒にジントニックが加わって少々酔ってきていました。
またあの夜の話をするレイの真意を諮る事無く、
なんとなく「そうだね、」と相槌を打って話しを合わせました。

レイもまた少々酔ってきていました。
朝早くから立ち通しで仕事をして、草臥れた身体に染み入るアルコールです。
こうしてゆっくりとした席でコクリとジントニックを飲んでいれば自然酔うものです。
まして窓の外に広がる夜景に魅せられて。

「工藤さんはあの夜のこと、よく覚えていないんですよね、、、。」
「う、うん、、。」

ああ、さっきは、タクシーの中では、レイに詫びようとしてたのに!(参照こちら
何故俺はここではっきりとした返事をしないのだろう、、、!



遠い目で窓の外の夜景を見るレイ。

そしてふっと私の方を向いてぽつりと言う。

「私は、、、。私はよく覚えているんですよ、。」

「そう、、、。」、、、戸惑う私。

「だって、想い出の夜、なんだもん。」言った途端、にこりとするレイ。


想い出の夜!
どういうことだ!
なんでいきなり!

暫し私は頭を巡らす。

そして悪い方向にレイの話を解釈しました。

ああ、そういうことか、、、。
悪い想い出だね、きっと。
突然にあんなことをして悪かったよ。

私は胸が痛くなりました。
そして耐えかねるように口を開きました。

「レイちゃん、あの時は、悪かったね、、、。」


え?、という顔のレイ。

「工藤さん、覚えているんですか!?」


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