J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年12月29日(月)    あー、駄目だ、何か言わなくては。

J (3.秘密の恋愛)

3. 想い出の夜 (12)


どうする、どう答える、どうする、どう答える、、、

私の頭の中はくるくる回る。

あー、駄目だ、何か言わなくては。


私はレイの方を向き直りレイの表情を窺う。
が、レイは窓の外を見ていて表情が掴めない。

もう駄目だ。
誤魔化すことはできない。
というか、何を誤魔化すんだ。

みな過ぎたこと。
今更俺がレイをどうするもないものだ。
レイに恋愛の情を持ち得ないこの俺なんだ。

あの時は、悪かったね。

この一言、言えば済むことじゃないか。


、、、「あの夜、あー、寿司秀で飲んだあの夜、のこと、だね。」

私は辛うじて気持ちを鎮めて言いました。


、、、「あ、覚えてくれていたんですね、やっぱり、」

レイは私の方を向きそう言葉を返しました。
その言葉には安堵の色が出ていました。

安堵。

何故か、私をほっとさせるような、言い方、だったのです。

レイは言葉を続けました。

「あの時は私、、、」

「待って。レイちゃん、僕に言わせてくれ。僕は君に詫びたいことがある。
 あの時は、俺、、、」

(あの時は俺、あんな振る舞いをして、申し訳なかった、)

と言う寸でのところで、

「はい、着きました〜、」と運ちゃんの声。

、、、ちっ、タクシーがホテルに着いた。


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