J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2002年11月15日(金)    僕は君を3年でものにしてやる

J (1.新入社員)

1.面接 (5)


これまでレイは、「はい。」とか、「ええ、」とか、
受身の返事に終始していたものですから、
初めてはっきりと質問した彼女に対して、私は一瞬戸惑いを覚えました。

何故かというと、その質問が、仕事についてではなくって、
私の結婚相手について、であったことにも戸惑いの理由がありました。

それも、真顔で。

ただ、その戸惑いは、ほんの一瞬のことで、
私はすぐに話を続けはしましたが。

私は笑顔で応えて、
「総務部にいる○○さん、だよ。
 2月に退社する予定だから、君とは入れ違いになるんだろうね。」
「お幾つなんですか?」
「今21才だったかな、そう、君の3年センパイになる。」
「へぇ〜、随分トシが離れていらっしゃるんですね〜。」
「おいおい、樋口さん、そいつは余計なハナシだよ。」
「あ、シツレイしました、」
レイは、シマッタ、という顔をして、頭を下げました。

「いや、いいんだよ、確かにトシは離れているんだから、
 ま、そういうことだ、君が入社したら紹介するよ。」
と、私はその話を切り上げ、

「でさ、最後にもう一回、最初に言ったことを言っておくよ。」
「はい。」
「たった一度の人生なんだから、よく考えること、」
「はい。」
「君にやる気があるなら、僕は君を3年でものにしてやるよ。
 ただ、辛く厳しい。その覚悟があるならば、だ。
 君の前任者は2年でやめた。
 ちょこんと机に座って、時間がくれば帰れる、そういう仕事じゃない。
 よく考えて、ね。」
「、、、分りました。」

「よし、じゃ、いこっか、」
「え?、どこへ行くんですか?、」
「人事課長のところ、さ、
 樋口さん、帰るときはキチッと挨拶してから帰るものです。
 これは社会人の常識だよ、さ、行こう。」


私は席を立って、レイを人事課長席に連れて行きました。


レイは深々と頭を下げて、
「ありがとうございました。」といいました。

私はおう揚に、
「期待しているよ。」とウインクをして、そこで彼女と別れました。



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