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「バナナさんはねえ、いいものも悪いものも甘ちゃんなものも含めて、たゆまず書きつづけていることが芸なんだから、どんなものでも、書いてみせると、読んでるひとも、バナナさんも(バナナさんはしばらくたってから)満たされると思いますよ。」
久しぶりに頂いたメールに、こんなメッセージが書いてあった。私自身がしばらくたってから満たされるってどういうことだろう。
■仕事(としての自覚が足りない感想)
アルバイトさんをインタビューしている。飲食店やテレアポの会社に行って、決まった質問を投げかける。社長でも、やり手社員でもないただのバイトだ。やりがいや楽しいことが、みんなにあるわけではない。それでも、話を聞くのはとても楽しい。素直に疑問に思ったことを、すぐに尋ねるようにしている。そうすると、思いがけないひとことが返ってくることがある。
「今までで一番印象に残っているお客さんは?」居酒屋で働く女の子に聞いたら、1枚のアンケートの話をしてくれた。あるおじいさんが、「今日は私の65歳の誕生日でした。ありがとう」と、ひとこと書き残していった。それを読んでから、もっと親切にすればよかった、落ち度はなかっただろうか、と色々後悔したのだと。接客に対する考え方が、変わった瞬間だったという。
一瞬鳥肌が立った。
会社に帰ってすぐに、文章をあげた。書いている時、楽しくてしかたなかった。ほとんどの人が、ありがちな話だと読み飛ばす記事だろう。それでも、私には大切な1000ワードなのだ。
■金曜日の夜に
忘年会から急ぎ足で家に戻って、ヘッドフォンでベックを聞いた。寒い冬の夜、たったひとりの部屋の中で、自分の心の中に降りていくことの素晴らしさ。目の前に行き止まりの、袋小路しかないように思えるとき、心の中の無限大のスペースが、私に光をくれる。
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