| 2004年02月27日(金) |
論点が見えないつれづれになってしまった。↓ |
出版の、就職予備校時代の友達と飲んだ。ちょうど去年の今頃、切磋琢磨していた彼らと。皆、いい落ち着きどころを得てこれからを楽しみにしているようだった。初任給が10万くらい違う友達と並んでここにいても恥ずかしいと思わなくなった自分を、少し変われたのかな、と思い嬉しかった。久しぶりにワイドパンツに黒のオールスターで渋谷へ出た。ゆるゆるの太ももが気持ちよかった。
努力が足りないな、帰りの電車で思う。知らないことが単純に多い。自分の見せ方を考えるのではなく、もっと絶対値をあげる努力をしたい。知らないことは恥ずかしいことなんだ、そういう危機感を持って日々のことに臨みたい。今の私に必要なのは、足りない部分を埋めてゆく職人的作業。根気がいるけれど、それなしでは始まらない。
どうやってよく見せよう、どうやって向き合おう、そういうことばかり考えて例えうまくなったとしても、それは私が憎んできた種の要領の良さに過ぎない。とにかく刺激になった夜。そしてふんぎりと言うものについて考えた夜。(それにしてもこういう文を書くとすっかり優等生のように完璧になるのは、義務教育時代のたまものだと思うのでした)
少し前に、「別れってカタルシスあるよね」、というスヌーザーのタナソウの言葉を引用したら、「ああ分かる、それすげえ思う」という反響をもらった。それ以来、物事の終わりや別れについて良く考える。「ああ分かる、それすげえ思う」と言ったのは、私が「こころのない人」とカテゴライズしている友達だった。昨日その子にハナレグミの話をしたところ、SUPER BUTTER DOGの『サヨナラCOLOR』という曲がいいから聴いてみな、と言う。「さよならから始まることもあるよ」、という一見優しい詩が、また終わりや別れのカタルシス、美しさについての連想を呼んだ。
スーパーカーのナカコーが昔のBUZZで話していた言葉が、今も頭に残っている。引っぱり出して引用する。
「ものが始まっていく美しさとか、ただ綺麗なものがそこにあるっていうのは、自分には今作れない。何かものが壊れていくとか、死んでいくとか--そのものが美しいっていう (BUZZ 2002年5月号より)
テロを意識した会話の中で繰り出される、彼のいう「美しさ」が、当時の私にはさっぱり(頭ではできても、体で)理解できなかったのを覚えている。
今日の帰りの電車で、それを実感するヒントのような文章に出会った。昨日からすっかりハマって読んでいる、『ラバーソウルの弾みかた』より。
・・・ジャニス・ジョップリンは、「あなたは何について歌っているのか」という質問に、こう答えた。
悲惨について歌うとか、幸せについて歌うとか、そういうんじゃなくてさ、いますでに心の億に持っているんだけど、それをほんとに感じてしまったら、上品な会話が出来なくなってしまうとかで、感じないようにしてることってあるじゃない?それを全部感じることが、歌う・・・演奏するってことなんじゃないかって。だから、あたしが歌えるのは、何ていうか--こうやって目を閉じて心の奥にあるものを全部さらけだしてしまえるかどうか、さらけだせるひとが歌える人だって思う。
ジャニスの有名な台詞に、「あたしは一晩に二万5千人の客とやって、それでひとりで家に帰って寝る」というのがある。Singing is fucking。 (中略) 文化というものは生命体に似て、いたるところにネガティブフィードバックを安全弁として用意しているものだ。その点、いたるところポジティブ・フィードバックだらけだったレイト・シックスティーズのアメリカ若者文化には、まさに「カウンターカルチャー」の呼び名がふさわしいのかもしれない。「カウンターカルチャー」の中心は、それが成立した時に、すでに自己は会に向けて開かれていた。そのあぶなさが魅力となって、さらに多くの魂を引き入れ、さらなるポジティブフィードバックを起こしたのだった。
外に出たい、普段の自分をたたき壊したい、それはすべてを曝け出すことに通じる。これは別れのカタルシスと、同じことを言っていると思う。
ぼんやり頭の私には、まだ結びつかない線も多い。おそらく大切なのは”終わっていくこと”の語義とは矛盾した魅力??うーん。意味を剥ぎ取ったときに現前する、希望、爽快感。そう、すごくすごく好きだった人と別れた帰り道、泣きながら体がふっと軽くなったのを思い出した。ああもうこれで、電話をしなくても待たなくてもいいんだ。不謹慎だが涙とはうらはらの感情がわきあがった。恋愛の破局は、社会的束縛からの解放でもあったのである・・・とかかっこよく言ってみるけれどもまだまだこの件については分からないことだらけ。勉強不足だな。
「ラバーソウル〜』は本当に面白いのでぜひ御一読を。決して、ただの60年代クロニクルじゃあありません。
|