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2003年12月31日(水) 拝啓 王子さま

拝啓 王子さま

年の瀬を迎え、お忙しい日々をお過ごしのことと存じます。ご無沙汰してしまったことを心からお詫びします。

お元気ですか。風邪などひいていませんか。

私は元気です。

一年が終わりますね。古い方の手帳を眺めながら、私は何をしたのだろうと振り返ってみました。羅列された企業名と×印が並んでいるだけです。就職活動をしていたのでした。コメント欄には「今日はここが悪かった。次はこうしよう」。その繰り返しが、気が遠くなる数並んでいます。



正直なところを言えば、あなたへの思いは変わらずにいつも持ち続けたままです。うっかり気を抜くと、手を伸ばそうとしてしまいます。それでも、混沌としていた感情に、色々折り合いがついてきました。「変わるのだ」と言い続けて結局ずっと沈み込んでいた昨年の暮れと比べると、良くも悪くも本当に変わったと思っています、自分では。

あなたから見たら相変わらず未熟で落ち込んでいる、子供っぽい私でしょうか。せこせこ動き回って、あがったり下がったりしているように見えるのかなあ。



今年の反省は、たくさんわがままを言ったことです。あなたにも沢山言ったんじゃないかな。ごめんね。来年はもっと、自分のもやもやを自分の中で処理できるひとになりたい。

良かったことは、仕事にも人間関係にも継続して考えていくべきひとつの指針が出来たこと。目標が決まって、目的地への全体像が見えていれば、それに向けてこつこつ努力することはあまり苦手ではありません。

昨日電話した友達は、来年の目標は世界史だと言っていました。あれの勉強法も一緒です。最初に流れと、図が頭に浮かびさえすれば、そこにはまってくる固有名詞をあとはこつこつ暗記するだけ。面倒くさいのは、2000年間の図を、一度頭に入れないといけないところまでです。

私は世界史が好きでした。



ずっと憧れていた業界に、片足を突っ込むことが出来ました。勝負はここからですが、頑張っていくつもりです。毎日仕事をしていて少し分かったのは、仕事というのはすべて「雑務」であるということ、どんなに偉くなってもね。

雑務でない仕事など、きっと無いのだと思います。ただ、忙しい時でも、「宜しくお願いいたします」と手書きで一筆付け加える気持ちだけは忘れないようにしたい。それが当たり前で普通のことだと思うしみんなやっている。私はいい加減で不器用だから意識しないと色々なことが他の人より出来なくなってしまうのです。そのことを前提に、いつも緊張感を持って仕事をしたいと思います。

……なんて、すごく優等生な感じでいやらしいですね。



「れいちゃんの日記は読みやすくなったね」とつい先日友達が言ってくれました。就職活動中は、人格がばらばらで毎日違う人が書いているみたいだったよ、と。

あなたへの手紙を毎日のように送っていた頃に、このサイト見つけてくれた人ともお友達になりました。高野文子の「黄色い本」をちょうど読んでいた頃だったそうで、「れいこさんと重なりました」という、とても嬉しい感想も頂きました。

今改めて「書く」ことについて考えてみると、いつもそれが私の中心にあるという気がしています。文章がうまい、とか、そういった技術的な部分が自分のアイデンティティだったこともありましたが、もう、そういうんじゃない。ただ、その行為自体が楽しくて仕方がないのです。だから例えば「僕には絵がある、君には文があるでしょう?」というような言い方をされると戸惑ってしまいます。そういった、小説家、または小説家志望の人が背負っているような書くことに対するああだこうだは、私の中にはもうないから。

ある程度の文章を読んでいれば、そこからのカットアンドペーストで毎日の日記など簡単に書くことが出来ます。(未熟ながら)気取った文体を使うこともありますが、それも単なる切り貼り。大きなオピニオンもありません。

それでも書くんだから、きっと好きなのだと思います。



来年はあなたの手紙にも、ここの日記にも、ただ自分の生活について綴るつもりです。webログというものが流行しているみたいで、当然興味もあるし、パソコンに詳しくなりたいから首も突っ込んだっていい。というかそういうデジタルなものに頼って生きたいと思っているけれど、相反する感情としてここに書くことは単なる情報にしたくない、というのもあるのです。

私がこっそり読んでいる大好きな女の子の日記は、強くて、誰かが読んでいることなんかとは全く関係なく自分の感情と生活を綴っています。私は密かに、彼女が今に文藝賞をとるだろうと予想しています。頑張って欲しい。そういう風に、才能のある人を応援する仕事を、公然としたい。こっそり日記を見るとかではなくて。



今日は2時に起きました。これから家族で年越しそばを食べます。テレビでは氷川きよしくんが「ずんずんずんどこずんどこ」と歌っています。

私は彼が大好きです。

来年も格好良い男の子にちやほやされて、「かわいいねかわいいね」なんて言われることを目標にしたいなあ。お嫁に行くメドくらい立てたいなあ。

……あはは、また煩悩が出て来ちゃった。除夜の鐘で、108つ、洗い流したいや。



最後に一つ、私が今年最も心に残った本は、浦沢直樹の『MONSTER』(小学館)と、森山大道『犬の記憶』(河出文庫)でした。年末に読んだ漫画が今年の一冊だなんて、ちょっと軽すぎるかしら。読んでも読んでも、読むべき本は絶えず、名作は毎年(数冊かもしれないけれど)量産されていきます。なんて素敵なことでしょうか。お金がなくても文庫本は500円です。お金は欲しいけれど。

来年があなたにとっても、私にとってもいい年でありますように。ただ目の前にある生活を、私はこれからも暮らしていきます。いい暇つぶしを沢山見つけたいなあ。また泣きたいなあ。今年はたくさん泣けたなあ。「良いお年を」、といって昨年のああだこうだを洗い流すこの慣習を、私はとても愛しています。



良いお年を、大好きな王子さま。   かしこ




平成15年12月31日   れいこより  








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