家族進化論
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2014年08月24日(日) 心のキャパシティ

森川 相手との実力差をまずは認識しなくてはなりません。日本人はここで「でも、勝てないと思ってはいけない」と考えがちですが、勝てないことを受け入れられているかが大切なんです。
横峯さくら選手の場合、「勝利する」という良いことばかりでなく、「自分の順位が抜かれる」という悪いこともちゃんとイメージするようにしています。「優勝争いに入っているけれど最後の3ホールで抜かれました。さぁ、どういう感情が出てきますか」と聞いてみたりする。「落ち込んで崩れちゃいそう」「バーディーを取りたくなっちゃう」など、その場面で出てきそうな感情を事前にわかっておくんです。抜かれる、負けるとはみんな想像したくないのですが、勝てる思いしかないと、「勝てるゲームプラン」しか考えられない。相手が強いので負けることもイメージして、その極限の中で「勝つにはどうしたらいいか」とプランをすることで、ちゃんと試合運びを考えられる。そうしないと、起こりうる悪いことがすべて「予想外」になってしまいます。
たとえば、先のワールドカップで、ブラジル代表がドイツ代表戦で7失点したときも、先に2失点することを想像していなかったんだと思うんですね。悪いイメージが準備できていなかった。チームとして、個人として、気持ちの整理をできていればもっと戦えたはずです。だからこそ、「もしかして、こういう可能性があるのではないか」と自分の中で突き詰めて考えられる能力というのは、勝負の世界ではとても大事なんじゃないかと思います。横峯さくら選手が今いちばん強いのは、心のキャパシティを広くもって、「良いときに悪いことをちゃんと考えられている」からなのでしょう。


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