映画祭レポレポvol.5
12月4日(日)vol.2
もの凄い緊張の面持ちで控え室に入ると、大杉さんはそこにいた。
うわあ…。(*゜ロ゜)
彼の圧倒的な存在感に、押しつぶされそうになる。 もしも気難しい方だったらどうしよう。 だってインタビューする項目さえもなにも考えてない。 「まったくこれだから素人は」って思われたらどうしよう。 映画祭の顔に泥を塗ったらどうしよう。 何を聞いたらいいのだろうか。いい質問とはなんなんだろうか。 一気に血の気が引いた。 今までのインタビューとは違うのだ。ぶっつけ本番なのだもの。
「はじめまして。イルミナシオン映画祭の加藤と申します。 こ、このたびは、遠いところわざわざお越しいただきまして あ、ありがとうございます。」
…噛んでるし(´Д⊂
大杉さんは、函館市を一望できるレストランの一角にいた。 大杉さんの背中には、雪化粧した函館が煌いていた。 やらなきゃ。みっちゃん、意を決する。
まずはやはりコレだろう。
「ご苦労された点は」
この映画は、仕事を中途退社した50代の男性が、サーフィンを することで自分を取り戻していく話だ。大杉さん初主演!という ことで話題を呼んだ作品だし、大杉さん自身も、この作品で サーフィンに初めて挑戦したんだもの。
大杉さんはわたしの目をしっかり見て、ものすごーーーーく 丁寧にお話してくださった。まるで雑誌の取材並み。 わたしはレコーダーを持ってないし、彼の言葉を耳で聞き、 必要なキーワードのみをメモし、あとは記憶するしかないのだ。 必死に聞く。合の手もいれなくてはいけない。そして会話にも しなくてはいけない。完全に気負っていた。
けれど、意外なことに大杉さんの言葉はすっと耳に入ってきた。 上手なのだ、話が。わかりやすくて、ポイントをきちんと 押さえてくれる。緊張は徐々にほぐれていく。
言葉に詰まることがない。 自然に質問が浮かぶ。それに答える。大杉さんが他の話をする。 質問をする。その繰り返し。
「手短に」と言われていたインタビューは、たぶん15〜20分 くらい行われた。「随分長かったね」とスタッフが心配していた(笑)
なんて気さくな方なんだろう。 取材を終えて、席を立とうとすると大杉さんは立ち上がり、 手を差し伸べてくださった。自ら握手を求めてくれたのだ! ぎゃ======!!!(#゚Д゚)ノ
やっとことの大きさに気が付いた。 あたたかかった。
「加藤さんは、こういう取材とかをお仕事にされてるの?」 大杉さんが尋ねてくれた。 「いえいえ、普通の会社員です。」 「えー、そうなんですか。何をされてるんですか?」 「病院の事務です」 「えっ!そのようなお仕事の方がこんなことしてるんですか!」
びっくりされたようだ(笑)
何度もお礼を行って、席を離れた途端、震えがきた。 忘れないうちに記事を書こうと思い立ち、ペンを取り、記事を 整理し始めたら、大杉さんがみんなで記念写真を撮って下さる というのだ!
どどどどどどどどどどどど!!!!
どこからともなくスタッフが走ってくる!(笑) ボランティアの学生たちも、わたしたち実行委員も。 本気で走った。
一応スタッフなので、個人的写真は遠慮しましたけれど、 この記念写真は宝物。わたしのデジカメで撮ったので、大杉さんに 「見せて!」と言われ、デジカメを渡した。ふふふふふふふ。 わたしのデジカメは少し古い型なので、ディスプレィが小さいの だけど、そのことでうちのスタッフと老眼談義をしていた(笑)
そのうちに上映終了。 これから40分のトークの時間。
会場の嬌声と歓喜の声に迎えられ、大杉さん登場! ものすごいどよめきがおこった。格好よすぎて見とれてしまう。
ところが大杉さんはすごい人だった。 わたしのインタビューのときは、ものすごく真剣に丁寧に 答えてくれて、それはどちらかというと語りかけるというよりは しんみりと会話をするという感じだったのだけれど、観客を前に した大杉さんは、これがまたオモロイ大杉さんに大変身!
えーー、この方、こんなにオモロイ人だったのーーーー!? ほんとびっくりした。たぶん実際に彼と話をしたからわかる びっくり具合。さっきの大杉さんと全然違うのだ!
でも違うと言っても、どちらが悪いというのでは全然なくて、 むしろどちらもものすごく魅力的で、ものすごく大らか。 わたしのときは「ダンディーで渋くて自分の仕事に誇りを持つ 俳優、大杉漣」という感じだったのだけど、舞台の大杉さんは とにかくとにかく会場を沸かせることに徹していた。
トークが絶妙なのだ。明石家さんまもビックリですよっ! あんなに面白いトークも久々だった。 全てにおいてプロフェッショナルな方なのだと感心した。 ますます好きになった。
トークも終わり、さて退場というとき。 普通のゲストの方々は、出てきたところへ戻り、拍手で送られる という形で帰っていくのだけれど、大杉さんは違った。 舞台を降りて花道を歩き、観客のみなさんと握手をしながら帰って いったのだ!これにはわたしたちも唸った。 ものすごいファンサービス。ものすごい温かい気持ちの持ち主! 涙が出そうだった。ここまでしてくれたことに関して。 本当に本当に会場を魅了した。最初から最後まで。 映画ももちろん素晴らしかった。
お仕事がお忙しくて、泊まっていけなかったことが悲しかったよ。 ぜひぜひたくさんの生のお話を聞きたかった。 でも絶対にまた来てくれるとおっしゃったので、それを待つ。 すごい人に出会っちゃった。すごい人とインタビューしちゃった。 宝物だ、一生の。
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