comfortable diary



アドレナリンディズ vol.3

日曜日。
5時間くらいしか寝てない割には、やけにスッキリ目覚める。
やはりアレだね、アドレナリンみたいな変なエキスが噴出されて
いるらしい。昨夜貰ったハンバーガーを頬張って、本日のロケ地へ
向かう。これがまた砂利の長ぁぁぁぁーーい坂を登った先に
ある可愛い一軒家。ロケハンのときは黄色のタンポポに似た花が
咲き乱れていたのが、すっかり綿毛をつけて一面真っ白だった。
これがまた幻想的な感じでよい感じ。

遠くから俳優Mやスタッフたちを眺めていたら、監督が私達に
気づいて手招きをしてくれた。もっと近くにおいでと。
本当にカメラのすぐ側で、撮影を見学。

一面野原なその場所は、周りは山々に囲まれていて、そりゃー
もう虫の宝庫。俳優Mはちょっと異常じゃないの?というくらい
虫を払うのに真剣。殺虫剤(虫除けスプレーじゃないのよ)浴び
まくり、虫つぶしまくりで、ちっとも撮影に集中できない様子。
よっぽど虫嫌いとみた。女優Aはこれまた涎がでちゃうくらい
カワイイ。しかも性格もカワイイ。わたしたちにも物怖じせずに
話しかけてきて、嬉しいときに嬉しい!と声に出して喜べるような
そんな感じの女優さんだった。わたしたちが差し入れしたお菓子も
「やったー!嬉しいーー!美味しい!」と喜んでくれて、その
可愛さに、女のわたしがクラリときちゃったくらい。

お弁当の時間、俳優Mはスタッフから離れて、ひとり砂利に座り
お弁当を食べてた。孤独が似合う人だった。時折みせる笑顔に、
なぜか安堵しちゃうような、ちょっぴり神経質そうな感じが想像と
同じで可笑しかった。飄々とした感じだったなぁ。
孤独なオオカミとかキツネとか、そういう感じに思えた。

お弁当を食べ終えると、いよいよ我が病院のロケ!
移動中、シーちゃんに連絡を取り、お手伝いをお願いする。
きっと病院を知ってる人が他にもいたほうが、使えると判断した
から。シーちゃん、ふたつ返事で駆けつけてくれた。ありがとう。

病院につくやいなや、いろいろな問題が勃発。
こういう場所が欲しいとか、当初予定してた控え室を却下され
違うお部屋を用意したり、あれやこれやと次々仕事がくる。
しかも今回は、みっちゃん、エキストラをお願いされてたのだ。
最初ナースの格好で、女優Aを呼ぶということだったのだが、
監督の意向で急遽、声だけの出演に。ホっとした〜!

途中、監督が「ミチヨさん、その椅子に座ってみて」と言う。
その椅子というのは、俳優Mと女優Aが座る椅子だ。
言われたままに座ると、監督は構図をとり、どういうカメラワークで
どのように撮るかをわたしを被写体として考えている様子。
手を四角にしてカメラに見立て、寄ったり引いたり舐めったり。
ちょっとドキドキした(。-_-。 )

同じシーンを何度も何度もテスト。
そのたびに新しい演技が加えられ、そのたびに指導が入る。
よくもこれだけの短いシーンで、これだけの要求が盛り込める
ものだなぁと感心するばかり。役者は監督の意図することを
自分たちの感性で掬い取り、それを表現するのみだ。

監督は決して強要しない。
「台詞は内容さえ間違わなければいいから。いまどういう意味で
この台詞を発するのか考えてみて。」そういう言い方をする。
台詞もそのたびに少しずつ変わる。
けれどぐんぐん良くなっていく。最初のテストと最後のテスト
では、自然さや深みが全然違うのだ。さすがと思う。

ラストテイクでは、俳優Mが、女優Aの髪についたゴミを払うと
いうとっておきのアドリブを見せた。そのアドリブに本気で
びっくりして、素の表情がでた女優A。そのテイクが使われるか
どうかはわからないけれど、あまりの自然さに、みっちゃん自分の
出番を忘れるところだった。危ない危ない(笑)
監督のQ出しに、「お待たせいたしました、次の方どうぞー」と
いう私の台詞は、「ミチヨさん完璧!」と監督に褒められるほど
自然に出た。当たり前、毎日毎日発している言葉だからね!

日曜日だったせいで、患者さんや職員もパラパラと覗きに来る
程度で、撮影としては好条件だったのではと思う。

廊下での撮影が終わると、今度は場所を移して講堂での撮影。
うちの講堂はスゴいのだ!遮光カーテンがボタンひとつで、
「ウィーーーーン」と閉まる。スタッフみんなに褒められた。

空調を停めろとか、逆につけろとか、お弁当を食べる場所が
ないかとか、背もたれのない椅子を探せとか、それに敷く座布団を
くれとか、いろんな要求にわたしとシーちゃんが対応する。
監督やスタッフの皆さんに、「ありがとう」と感謝される。
なんだかとても嬉しかったなぁ。

それにしてもアレですよ。
普段わたしたちが何気に仕事しているところに、あの俳優Mがいる
わけですよ!わたしたちがお昼ゴハンを食べる休憩室で、彼が寝て
いるわけですよ!(準備の間は仮眠。前日殆ど寝てないし・・・)
自分の日常に、スクリーンの中にしかいないはずの人が存在する
って本当に凄いことだ。異空間のようで現実世界。
こんな摩訶不思議な体験って、滅多にないよね?
まさにアンビリーバボーな瞬間。

病院での撮影も終わり、みっちゃんたちはお役ゴメン。
でもイケメン助監督が「今晩ぜひ飲みませんか??」という誘いを
投げかけてきた!彼たちも鬱憤が溜まっていたんだろう(笑)
断るなにものもない!疲れは最高潮だったけれど、わたしたちも
彼たちともっともっといろいろな話がしたかったのだ。
(決してイケメンによろめいたワケではないぞ!ホントだよ!)

彼たちは、あの混雑のなか、俳優Mと夜景というシーンを、
ロープウェーの中から撮影するためにまた出かけて行った。
わたしたちは遅めのゴハンを食べて、またロープウェーに行く。
つくづく私達はロープウェーに縁があるなぁ…(苦笑)

ラスト、監督たちに別れを告げ、「じゃ12月に!」と手を振って
さよならした。監督も疲れた顔をしていたけれど、あまりにも
爽やかなその言いっぷりにまた惚れ惚れ。

撮影も無事終了、残ったイケメン助監督とともに某店に行くも、
結局仕事に追われ、ほとんど話せずオヒラキ。
次の日絶対に飲もう!と約束してpm11:30帰宅。
(でもいろいろあって、結局飲めずに終わった。がくーん)

ってことで、長い長い3日間は幕を閉じたのだった。
病院でのロケでは結局5時間弱行ったけれど、たぶん使われる
シーンは1分に満たない。たぶん多くても30秒くらいだ。
たったそれだけのシーンに5時間。本当に頭が下がる。
映画というのはものすごい労力と、情熱の賜物。
「ちっとも面白くなかった」なんて迂闊に言えないなぁと、
つくづく思った。←いつも言ってるけど^^;

なにが彼らを駆り立てるのだろう。
自分の身を削って、寝食忘れて没頭して、それで得るものは
一体何なんだろう。自己満足?興行収入?名声?

きっとそういうものなんかじゃない。
それだけはわかるけれど、わたしには答えはまだ見出せない。
12月、監督にお会いしたらぜひインタビューしよう。
映画を作って、それで得るものは一体なんですか?
そんなに苦労してまで作る意味は、一体なんですか?

監督の答えを聞くのが、今から楽しみで仕方がない。

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ってことで、一気に書いたよ!
1時間くらいで打ったので、忘れていることもたくさんありそう。
映画のタイトル、監督名などは今のところ伏せておきますね。
はっきり詳細が決まったらお知らせするかもしれませんが。

それにしてもやはり疲れたー。年だわ、わたしも…。ふぅ。



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2005年08月09日(火)




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