comfortable diary



40年後のあたし。

最近、老後のことをぼんやりと考える。
このあいだも、たまこさんと「お金溜めないとねぇ…」って話に
なった。もちろん老後のため。

かなり前になるのだけど、「接遇」に対する講演会に行ったの。
看護部中心の講習会だったので、講師も元看護士。
でもミチヨ、講演を聞いてて泣いてしまったのだ。
今日はそのことを。

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講師の方が、ある老人施設を見学に行ったときのこと。
ホテルのような外観で、独特の匂いや暗さはなく、施設自体はとても
好印象だった。医療従事者も、目の届く範囲ではいい働きをしていた
そうだ。

けれど講師の方は、ふらりと見学者たちの輪から離れ、目の届かない
ところへ踏み入れてしまった。
ちょうどそのときはお昼時で、入所者は食事をとっていたんだけど。

講師の方は愕然とする。我が目を疑った。

痴呆が進んでいると思われる老人の白米に、粉薬、錠剤をふりかけ、
デザートとして出ているグレープフルーツの果汁をもその上に絞り、
それをスプーンで食べさせていたと。

人間に施す行為じゃない。家畜以下だ。

その後その講師の方が、どのような対処をしたのかは覚えていないの
だけど、その方はその施設を改善するために度々そこを訪れる。

ある日、一人の老人が違う施設に移ることになった。
(もしかすると家族が引き取ったのかもしれない。そのへん曖昧。)

退所する老人が部屋を出ようとしたとき、同室にいたおばあさんが、
目にいっぱい涙を溜めて、こう言った。

「ばんざーい、ばんざーい、ばんざーーーい!」

こんなところから出られてよかったね。
こんなところにはもう戻ってくるんじゃないよ。
元気でね、元気でね。

そういう万歳だった。

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今日「アイリス」という映画を観てきた。
26冊もの本を出版し、文学者であり哲学者でもあり、言葉を愛し、
自由を愛し、夫を愛した老女(ジュディ・デンチ)がアルツハイマー
に侵される。知性と奔放さと女性としての魅力を兼ね備えた女性が
だんだんと壊れてゆく。蝋燭が溶けてゆくようにじわりじわりと。

自分で自分を見失ったとき、あたしを支えてくれる人は一体誰なん
だろう。アイリスには夫がいた。アイリスを心から尊敬し、愛して
くれる夫が。だけどその夫でさえも、介護に疲れ、妻に対し暴言を
吐く。長年連れ添った夫婦でもそうなのだ…。

誰かにお世話になるのが当たり前なんて最初から思っていない。
でもいつか来るのだ、あたしにも介護や看護が必要なときが。

お金溜めとかないとねぇ…。(ノ_−;)ふぅ。
でもどんなにお金をかけても、そこが人間としての尊厳を尊重して
もらえる場所であると断言はできないし。

なんとなく今日は自分の老後にしょぼ〜んとしてしまったミチヨなのでした。




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+++ today's movie +++

『アイリス』★★★★
  あるひとつの言葉が頭から離れない。
 「明日も次の日も生きていこう。これ以上近づけないほど一つになろう」
  ジュディ・デンチの底力を見た気がした。素晴らしい。


2003年05月26日(月)




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