昨日から、肩こりがひどかったので、お仕事は一時休みにして、二日続けて、読書の日にしました。 ちょうど、昨年から今年の初めにいただいた本で、未読のものが何冊もあって、ずっと気にかかっていたので。
とりあえず、今回は、本の山の中から、新人作家の方の本を、三冊発掘してきて、拝読いたしました。 感想遅れてしまって、申し訳ないです…。ごめんなさい。
「ゴリラのスターライト」(新村千江・ひくまの出版) 「占い魔女2〜呪われた鏡」(池田美代子・岩崎書店) 「ゆうびん受けのうさぎ」(河俣規世佳・あかね書房)
の、三冊を拝読いたしました。
まず、「ゴリラのスターライト」。 動物園にいる年老いたゴリラと、少年との、幻想的な会話で構成された物語です。ヨーロッパの映画とか、外国の絵本みたいな雰囲気のある、しゃれたお話で、夢とも現実ともつかないファンタジー世界の描き方が、うまい、と思いました。 ただ、クライマックスの、おばあちゃんの台詞が、語りすぎですね。 おとなとして、つい、人生や出会いについて語りたくなる気持ちはわかるんですが、そこで語ると、子どもが夢から覚めてしまうんで(^^;) 言葉は使わず、行間で読ませるようにしてください。 テーマといい、本全体が持つ雰囲気といい、良い本だと思いました(^-^)
「占い魔女2〜呪われた鏡」。 怪奇現象の謎を究明しようとする、オカルト少女(笑)と、発明少年の物語。 おもしろい作品を書こう、という意欲が感じられる好感が持てる本でした。 舞台設定と、小道具の使い方がおもしろいです。鎌倉に行きたくなりました(^-^)。 でもしかし…前に日記でふれた、「ねこまた妖怪伝」(藤野恵美さん作)と、欠点が同じです。 一言でいうと、バランスがよくないんです。 枚数の割に、内容が盛り込みすぎで、キャラクターの数が多すぎるんです。 キャラクターの一人一人は、魅力的なんですが…いい感じなんですが…この枚数に、この人数だと、さすがに描き切れていません。 大長編の場合、キャラクターの数を多くして、いろんなエピソードを語る、というのもありなんですが、子ども向けでこの枚数では、なるべくキャラクターの数を減らしてゆく方向でもっていかないと、薄味の作品になります。
それと、一番大事な(まずい)ことですが、お話の本筋に、主人公が部外者になってしまっていて、深く関わっていないので、子ども読者が、物語に感情移入しにくいんです。<子ども読者は主人公に同化して読書するので
この物語だったら、私なら、発明少年を主人公にして、彼の視点で書くのになあ、と思いました。その方がすっきりしたと思います。 (一巻があっての話なので、難しいかとも思いますが…)。 それと、三巻が出るなら、次からは、「妖怪辞典」を最初につけるといいかな、と、思いました。登場人物紹介より、その巻に出てくる妖怪の説明が、イントロにあった方が、たぶん読者には親切で、なおかつ、気持ちが盛り上がると思いますよ(^-^)
季節風大会でおあいした時も、こんな話をした記憶があるんですが、池田さんはきっと、あふれるように、次から次へと、いろんな情景やエピソードを思いつく人なんでしょうね。でも、いろいろ思いつく才能を持っている人は、けずる方に頭をもっていかないといけないんです。 がんばってください。
「ゆうびん受けのうさぎ」。 このお話は(笑)、いうことなかったです(^-^) ちょっとさみしい四年生の女の子と、郵便受けのしゃべるうさぎさんの話。 河俣さんの二冊目の本ですが、一冊目(も優しい感じで良かったですが)を遙かに超えた、高いレベルの本だと思いました。 上でバランスの話をしましたが、この本は、その辺、とてもセンスがいいんですね。読んでいて、つっかえるところもなく、さらさらと、きわめて快適な読書を楽しむことができましたし、読後感もとても良かった。 ラストシーンの幸福感の残る余韻も、すごくいい(^-^)。筆のとどめ方が、いい。こうでなくては、という感じ。 上手ですねえ。 以前の日記で話題にした、雨子さんもなんとか、河俣さんみたいな感じで、おとなになっていってほしいんだけどな、なんて思いました。
わずかに気になったのは、ラスト近くの、両親ふたりの会話。 少し長いですね。一言二言の会話か、台詞なくてもいいのでは? あと、タイトルで損をしていると思いました。 何かもう少し、きれいな感じにしたかったですね。 一目でファンタジーだとわかるタイトルに。 本のタイトルというのは、広告というか、キャッチコピーのようなものなので、物語の雰囲気を上手に表すものでありたいです。
それにしても、園芸好きの私には、よけいに楽しい物語であり。 挿絵の狩野富貴子先生の描くところのうさぎさんが、「いかにも」な、外国製の郵便受けの絵にありそうなうさぎさんなところも、ツボでありました。
てな感じで、三人の新人作家の皆様。 お待たせいたしましたが、感想文でございました。 多少厳しいところもあったかと思いますが、そのかわり、ほめたところは、わずかもお世辞ではありません。ので。お許しくださいね。
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