日々の泡・あるいは魚の寝言

2001年10月19日(金) イルカの日

…昔、そういうタイトルの映画があったのです。
イルカを訓練して、敵国の潜水艦に水雷をしかけにいかせようとする悪役がでてくるという映画でしたが、主題曲が素敵でしたねえ。

ガラス越しですが、イルカさんと向かい合う機会に恵まれました。
鹿児島の水族館です。

昨日のことですが、椋鳩十賞の歴代受賞者と、審査員と、赤崎鹿児島市長が、「鹿児島の子どもの教育について考える」という企画がありまして、それに参加してきました。そう。私はあの賞の第四回受賞者なので。
(あ、かもめ亭にそのことを事前に書かなかったのは、一日二日ネットを離れるくらいの時は、掲示板に書かない方が、掲示板が安全かしらという判断があってのことでして。ごめんなさい。もっともうちには、かのかもめ亭管理組合さまがいらっしゃるので、心配はいらないのですけどね〜。ありがとうでした>組合さま)。

で、会議の前のあいた時間に、鹿児島市の方に、水族館と維新記念館につれていっていただいたのです。
どちらも、館長さん直々のご案内と解説付き。
「童話作家になって良かったあ!」と、何度もかみしめましたねえ。

維新記念館は、西郷隆盛と島津斉彬の記念館といった感じでした。すごかったのは、コンピュータで操作されているロボット西郷さんや勝海舟のでてくるお芝居が上演されていることでしょうか。
部屋の中に、ちいさなコロシアムのような円形の舞台が作ってあって、その中央に、西郷さんロボット(歯まであります)がせりあがってきて演技、舞台の奥にある、部屋の壁のスクリーンには、いろんな情景が映り(明治維新を駆け足で説明するシナリオなので、やたら血しぶきが散る…)、話の展開に沿って、舞台のあちこちから、坂本龍馬人形やら、大久保利通人形やらが、せりあがり、せりふをしゃべるのです。当然、BGMつき。聞き覚えのある音楽がでてきた(「音楽畑」の中のどれかだったと思う)ので、音楽はありものを使ったのかも。
シナリオはちょっと盛り込みすぎていて駆け足で、日本史に興味のない人には不親切でしょうが、ロボットをみてるだけで、楽しかったですね。
でも、個人的に苦悩したのは、ナレーションの女性の声が、マイクを通したときの私の声とかーなーり、似ていたことです。私は、しゃべるタイプのアルバイトをいろいろしてきたので、機械を通したときの自分の声を知ってるんですよ。
で、気持ち悪かった……。甘ったるいしゃべり方までにててイヤ……。
うう。ごめんなさい、ナレーションしてた人。
ちなみに制作は東京の会社で、制作もメンテナンスも、途方もないお金がかかってるらしいです。
ああ、そうそう。ホログラフィーを使った、ドールハウスみたいな展示物のコーナーもありましたよ。歴史上のイベントシーンが切り取ってきたみたいに、立体化されて、飾ってあるの。登場人物が、動いたり、しゃべったりするの。

展示物のコーナーをみていて、「あ、これすず猫さんに見せたいなあ。どんなリアクションするかなあ?」とか、ロボットのお芝居をみてて、「これはミーシャンさんは興味深いだろうか」。島津斉彬の名前をみれば、あきさんを思い出したりと、なんだかかもめ亭の常連の名前が浮かぶ、維新記念館でありました(^^)。

で、水族館。
館長さんを独り占め、質問しまくりのVIP待遇…。
これもまた、生きてて良かったと思う瞬間でした〜。あ、でも、ここは、お魚大好きなkekoさんにみせたいなあと思ったのです。私ったら本当に、頭が風の丘から離れられないらしい(^^;)。

日本で四番目に新しい水族館だそうで、飼育もうすぐ一年のジンベイザメなんかが、巨大な水槽の中を、ふにょーっと、泳いでおりました。それもかわいかったけど、とにかく魚はみんなかわいい! 海星も海月もアメフラシもかわいい!
「あっ、あれは、カイロウドウケツですか?」
「いえ、あれはその近縁種なんですよ」
「ああっ。鰹だ、カツオ!」
「ほう。生きているカツオをみて、カツオだとわかる方はめずらしい!」
などという楽しい会話を続けるうちに、お魚には興味なさそうな、鹿児島市の職員さん一名(なんていうかな、随行員さん?)は、徐々にひいてゆき…。
「あ、あのう、館長、そろそろイルカショーの時間では? 村山さんはショーを見るという予定になっていらっしゃるんですけど…」
「このお嬢さんは、相当お魚がお好きみたいですから、イルカショーより、魚の解説をじっくりした方がいいと思います」
「あ、私もその方がいいです!」
「……はあ」
しょうがなしに、ミズクラゲの水槽をうつろな目でみる市役所職員さん。
その横でなおも盛り上がる、私と館長さん。
「うわあ、エフェラだ、きれいですねえ!」
「海月って、ふわふわしているようですが、こんなふうに海底に張り付いている時期もあるんですよねえ」

あとで、市役所職員さんが笑顔でいった一言。「村山さんみたいに、水族館を喜ぶ方はめずらしいでしょうから、館長も嬉しかったと思いますよ」

そうそう。それで。イルカなのです。
イルカショーが済んでから、イルカを見に行ったのです。
すると、手持ちぶさたみたいにプールを泳いでいたイルカが、私の姿を見るなり、プールの上に上がってきて、あざらしのように寝そべって、鳴いたのです。
館長さん曰く、「あれは、自分に注目を集めようとしてますね」
…受けをねらうか、イルカ。君は関西人か(笑)。
そのあと、イルカプールの下の部分とガラス越しに接しているという地下へいきました。
すると、さっきのイルカが、背泳ぎしながらやってきて、ガラスすれすれに泳いでいくのです。大きな水族館に行ったことのない私にとっては、はじめての経験でした。イルカは大きくて、大きくて、背中がとっても広々と見えました。
表情のある目をしていました。
私たちがイルカをかわいいと思うように、イルカも人間が好きなんじゃないかなと……それは本当に都合がいい想像なのかもしれませんが、そう思いました。
三頭いた(?)イルカは、交互に私のそばにきてくれました。
うち一頭、耳が悪いというイルカがいて、いつもそのそばには、仲良しのイルカが好き沿っているのでした。

というところまでで、鹿児島紀行第一回はおわり。
続きは明日付けの日記でね。今から書きます。



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