日々の泡・あるいは魚の寝言

2001年08月09日(木) 挿し絵決定と知らない間の幸運

十一月刊行の短編集の挿し絵画家の人が決定しました。
ものすごく素敵で、幻想的で、人間業ではないくらい絵が上手な方です。
(とかくと、「うそ?」とかいわれそうですが、本の出版を待っていて下さいね。私も、そして、担当編集者のNさんも…ついでにいうと、P社の社長さんも! この人しかない、と、心で叫んだ画家さんですから!)。

ここのところ、「画家を捜してネットサーフィンをしている」という内容の日記を何回か書きました。
でも実は、そのさすらいをはじめる前に、候補に選ばれた人がいたのです。
一番最初に、候補に挙がったのは、その方だったのです。
やはりその方も、ネットで発見された人でした(Nさんが見つけたのでした)。
とてもすばらしい絵だし、色も美しいし、なによりも今度の本にぴったりの、甘さと切なさと、清らかさをもった絵が、何枚もサイトに飾ってありました。

もうその方にしようと決めて、連絡先をさがしていた途中で、ななんと、「本職が忙しいので、いまはオリジナルのイラストはかいていないらしい」という事実がわかったのでした。その後、Nさんが電話をかけ、メールを打っても、ご本人に連絡も付かなかったので、これはもうだめだろうと、わたしもNさんもあきらめて、挿し絵候補を新たにさがしはじめていたのでした。

が。
先日、ご本人様から、「悩んだけれど、お仕事をさせていただきたい」よしのうれしい連絡がNさんのほうにあり、即座に決定しました。
Nさんと画家さんは打ち合わせもすみ、いろいろ絵の制作にはいっていただくことになりました。
さあ、本の出版の日が楽しみです〜! わーい。

ここが運の分かれ目だなあと思ったのが、その画家さんの後に候補になっていた、新人絵本画家の方です。その方に決定するかどうか決めるべく、私とNさんは、P社の絵の決定権を持つ(といってもいいのだろうと思います)とあるお方のご意見を待っていたんです。でもその方はご出張中でして…。
そのご帰還を待っている間に、今回決定した画家さんからの連絡が入ったのでした。
きっと、世の中にはこんな風に、本人の知らないうちに、幸運が近づいていたり、また気づかないうちに通り過ぎたりするんだろうなと思いました。

今回の本の挿し絵は、やはり、最初のインスピレーションでみんなが選んだ画家さんが、これ以上ないほどぴったりな人ので、新人絵本作家さんは、声もかけないままのことでおわってしまいます。
でも、私もそしてNさんも、その方の絵にぐっときたのは事実なので、いつかいっしょにお仕事をしたい人として、覚えておきたいと思っています。
絵本買うんだ〜♪

さて。その本の元になる原稿は、いま、手元にあって、これから最後の手直しをするところです。はじめての短編集ですし、心を込めてがんばります。
今回、あとがきもつけようということなので、ちょっと私なりの児童文学論の総括もしてみようかなと、思っているところであります。

…ああ、でも昨日から、低気圧の関係で、頭が重い…。

<追記>
その画家さんは…いろいろと打ち合わせの末、お仕事をおりることになってしまったのでした…。そしてまた、画家探しの旅が始まりました(涙)。
村山早紀の傑作短編集の挿絵を描く人は、はたして誰になるのでしょうか?


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