日々の泡・あるいは魚の寝言

2001年07月28日(土) ミステリアスカレンダー&悪魔とドライブ

この二日、頭痛が断続的に続いているので、いやーな感じです。
薬が効かない頭痛は久しぶりだなあ…。
おそらく、仕事が一段落したあとの疲れでありましょう。
また仕事を開始するまで、この頭痛はとれないかもしれない。

さて。
頭痛がすると、寝るしかないのですが、ただ寝ていると時間がもったいないので、私はそういうときは、読書をすることにしています。
今日は、「ミステリアス・カレンダー」(たからしげる・岩崎書店)
「悪魔とドライブ」(長崎夏海・小峰書店)
の二冊を読みました。児童書の夏の新刊です。だからっていうんじゃないでしょうが、どっちも怪談風。

「ミステリアス・カレンダー」は、たから氏が得意にしている、ホラー小説風の連作短編です。以前に出版された、同じ作者の「フカシギ系。」(ポプラ社Pclub)からすると、全体的に、いっぺんいっぺんが短くなっていて、そのぶんとっつきやすくなっています。また「フカシギ」は結末が特になく、なんとなく不思議な感じの話、でおわっていたのに、今回は落ちがある話が多いので、読みやすいですね。
もっとも私は、前の不思議な感じも好きだったのですが。ただ、子どもにはこっちの方が勧めやすいかもしれません。
イラストがとても、おしゃれなのも、好印象。
私のお薦めは、死んだお姉ちゃんの話か、強盗事件の話、いじめの話、かな?

「悪魔とドライブ」は、長崎さんらしい話です。両親が離婚したことによって、古い一軒家に母親と一緒に引っ越してきた女の子が、悪魔だか妖怪だかわからないものにであって、その結果、こんがらがっていた心の中が気持ちよくほどけていくという…。こういう、他者と出会うことによって救われていく主人公の物語というのは、長崎さんの永遠のテーマみたいなものなので、安心して読めますね。
毎度、主人公が強いのも面白い。国産児童書だと、主人公が妙にへなへなで、他者に「助けられて」やっとこさ成長する話が多いのですが、長崎作品は似ているようで、そこが違うというか、すでに主人公の心の中に答えがあって、その答えを認識させるために、他者との出会いがあるというか…そういう構成になっているのですね。他者はきっかけでしかないのです。ここが大事でかっこいいところ。
今回はイラストが違和感があったかなあ? すごくかわいいんだけど、幼いというか、やっぱり、長崎さんの中級の作品は、佐藤真紀子さんじゃないと…という気がして。

ところで、今日読んだ二冊は、どちらもいただき物です。
作者さんが、お友達の方なのです。
でもね。だからって、ほめたわけじゃないのよ(^^)。


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