日々の泡・あるいは魚の寝言

2001年02月24日(土) 獣医学とかメダカとかインコとか

今夜は、途中から「名犬ロシナンテの苦難」(だっけ?)を見る。
獣医大学の学生さんたちが主人公のこのドラマ、一見明るそうで、さりげにシリアスだったりする。さりげーに、「アニマル・アシステッド・セラピー(動物介在療法のこと。動物と接触することによって、人間の肉体や精神の悪い状態が改善されるという実験結果がありまして、老人ホームなどで犬猫を飼うことが始まったりしているのです)が」なんてせりふが出てくるし。
来週は、獣医学部の学生の怖ろしい試練、健康な犬で行う手術の練習、をやるらしい。……つくづく、シリアスなドラマだなあ。来週見ると絶対に落ち込んで泣いちゃいそうだから、見るのやめようかな(でも作家としては、そのモチーフをどう扱うのか非常に非情に興味があったりする)。
実際、動物を使う実習が耐えられなくて、獣医学部をやめちゃう学生は多いという話は、どこかで聞いたことがあります。
「動物のお医者さん」って、大好きなまんがなんですが、あれもさりげなく、「動物実験のあとの死体の処理の話」とかネタにしてあるんですよね。暗い話にはなってないけど。

生き物を使っての実習って、人間の医学部でも当然あるわけで、うちのいとこ(今は外科医)が、学生時代、「大学でメダカの鱗をはいで、それを顕微鏡で見る実習があるんだけど、メダカ、鱗はぐと死んじゃうから、女の子たちは泣くんだよ。だからぼく、代わりに鱗はいであげてるの」なんてことをいってました。
「いつかニホンザルを飼いたい」なんてことをいっていた変わったいとこです(笑)。このごろあってないけど、彼ももう四十代なのね。

医学でも、獣医学でも、「練習」とか「研究」のために、命を犠牲にすることがあるわけで、そのあたりを考えると、軟弱ものの私は、思考停止してしまいそうに悲しいんだけど、でも、まわりまわって、医学や獣医学の知識は、たくさんの動物を助けるわけだから、仕方がないと思うしかないのかなあとか、納得はしようとしているのですが。
が。
私はこの、「尊い犠牲」という考え方が大嫌いな人間だったりするので、結局は、思考はメリーゴーランド状態で、ぐるぐる回ってとまらないわけです。
「一粒の麦、もし死なずば」ってのは、麦本人が納得するれば美しい考え方なんだけど、誰かが麦を大地に無理矢理生き埋めにしたら、そりゃ美談じゃないと思うのだ。

実はここ数日、ぼんやりと、「生まれ変わったら獣医さんになるのもいいな」と思い始めているので、なんか頭の中が「獣医さん」です(笑)。
ま、生まれ変わりって、実のところさほど信じていないのですが。
あればいいなあと切望していますけどね。
本当に獣医さんづいているのは、夏さんの「獣医ドリトル」の影響かしら?
あのマンガは、面白い上に、子供時代獣医さん志望だった私のハートをぎゅっとつかんで離さないものがあったりして。
いい職業ですよね、獣医さん。

今夜、ネットサーフィンしていたら、ある童話作家志望の方のサイトの掲示板で、「飼っていたインコが死んでしまったので、今夜公園に埋めにいきます」という内容の書き込みを発見して、しばらく呆然としていました。
その方ともインコとも面識はなくて、ただいろんな掲示板ですれちがっていただけで、ほんと、「友だちの友だち」クラスの知人の方なのですが。今夜だって、本当にたまたま、リンクをたどっていたらぶつかっただけだし。
でも、本当に悲しかった。
掲示板をさかのぼったら、インコの具合が悪くなりだしたころのことから順を追って書いてあって、「どなたかインコに詳しいかたがいませんか。何か情報を教えてください」なんて書き込みがしてあって。
それがほんの数週間前のことで。
ああ、と、私は思ったのです。インコなら私、ちょっとだけど知識があった。だって、猫飼うまではずっとインコを飼い続けていたのです、村山家は。少なくとも、病気のインコは暖めなきゃいけないとか、暖めるための方法とか、そんなのは知っていたのです。療養食の作り方だって。

もちろん、私がその掲示板を、インコの存命中によんでいたとしても、インコが助かったかどうかはわからないんだけど、それに大体、面識もないのに、いきなり書き込むのも変だから、躊躇したろうし、そしたら書き込まなかったかも知れないし、本当に今更こんなことを書いても、仕方がないんだけど。
でも、その人のインコ、できることなら、助けてあげたかったなあ。
助けてあげられなくても、いろいろ相談に乗って差し上げられたかも知れないなあ。
なんてことを、パソコンの画面の前でうなだれながら、思いました。
せめてひそかに、そのインコちゃんの冥福を祈ろうと思います。

明日はうちの猫の、納骨の日です。
別に納骨記念じゃないですが、「シェーラ9」に、「すごく美しくてかっこいい猫」をだすための知恵が浮かんだので、そーゆー猫(?)をだすことにしました。佐竹さんの挿し絵が楽しみなキャラクターになりそう。


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chayka [HOMEPAGE]