わあ、今日は風邪薬効果で、眠いです。 もう、とろけるくらいにねむいぞ〜!
でも、書きたいことがあるので、日記を書く。
『地の掟 月の眼差し』&『象のダンス』読了。どちらも講談社刊。
『地の掟』はたつみや章さんの縄文時代を舞台にしたファンタジーシリーズの第二作。挿し絵が東逸子で、麗しいんだけど、先に読んだ友人が以前、 「仏蘭西人形みたいな縄文人だった」 といっておりました。 …いわれてみれば、そうかも(^^;)。お肌は陶器みたいだし。 すごくきれいなんだけど、違和感ありました。 縄文時代、という時代のもつ、ワイルドなイメージのせいだろうか…。
たしか昨日だったか、日記で「せりふが気に入らない」ようなことを書いたと思うのですが、最初から最後まで、その印象は変わらなかったです。 「縄文時代」というイメージが、なんだかせりふにないというか…。 みんな、サラリーマンか女学生(それも一昔前の)みたいな語り口調で。 せりふが多い物語だけに、そのあたりは、かなりマイナスな感じがしました。 あと、人名がなんだか不統一なのも、気になったなあ。 それと、擬音の使い方があまりにもストレートすぎて、わたしには抵抗があったかな。
もひとついうと、というか、一番気になったことなんですが。 「宗教」や「身分」に関する意識(主人公たちが持つ)が、なんだか、現代人とそう変わらなく見えたのが気になりました。 縄文時代の人の目には、もっと違う世界や違う人間関係が見えていたはずなのに、なんだか現代人が縄文時代を闊歩しているようで。 なんかなー。みんな「基本的人権」とか知ってるような感じがして(^^;)。 古代人はこんな繊細で理想主義者で、心優しい人種ではないでしょう? だって。現代日本人が知っている哲学だのなんだのが、まだ存在しない世界なんだから。存在しない概念を人は持つことはできないはずです。 もっとケモノのようにシンプルに、おおらかに生きていたんじゃないかなあ?
かなりきつい評価を書きましたが、「ああこれは私理解できない」と頭を抱えたのは、かなり、「美少年小説」ののりがあったところでしょう。 男の子同士抱き合うシーンや、男の子同士の友情のシーンが、あたかも異性同士の愛情を描写しているような濃度で描かれているので、読んでいて、違和感が…。 この違和感だけは…わたしはどうしても受け付けなかったというか。 こればっかりは、趣味の相違ということで、仕方ないのでしょうね。
あとは、本当の意味で「大人」のキャラクターが登場しないのと、でてくる男の子も男の人も、みんなすぐ泣いちゃうのも気になった…。 泣き虫な男の人は、個人的には苦手っていうのもあるけど、どうもそのあたりで、たつみやさんがかく男性キャラを好きになれないのでした…。 うーん。これも、趣味の相違、かなあ?
『象のダンス』(魚住直子・講談社) 新人さんの三冊目。 傷つきやすい15才の女の子が、タイ人の少女にであって変わっていく物語。
魚住さんは以前、雑誌で短編を拝読したことがあって、それはすごくよかったから、この本も期待して読んだんですが…。 なんかすごく、セオリーのまんまの話で、悪いけど、よんでて疲れました…。 とにかく、「不幸で孤独」(客観的にいうと幸福そうなんだけど、主人公の主観的には不幸)な少女が、世間からはみ出たものにあって癒されていく話というのは、もう読み飽きたなあ。 自称不幸な少女たちは、現実世界のふつうのお友達とのあいだでは、もう、幸せになれないのでしょうか? こういう設定の話を作るということが、作者自身がそれをもうあきらめているような気がして、ちょっと心が寒くなります。
今日は猫が死んで、一ヶ月目の日でした。 家の中はまだ、猫の形に、ぽっかりと穴があいているようです。
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