CORKSCREW Diaries(米国編)
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2001年09月19日(水) 004 RAINING


004 RAINING 2001/09/19
Reykjavik~Pingvelllir~Geysir~Gullfoss~Krisuvik~Blue Lagoon

今日も外は雨が降っていた。
昨日に続いて今日も雨だった。
オーロラ、結局見えないのかな。不安になる。
ただ、今までこの国が与えてくれたものって、計り知れない。火山岩で覆われた広野を走るだけでもう、飽きることなんて全然無かった。

目が覚めたのは7時。
いつも日本ではいつまでも布団の中で寝ていたいって思うのに、
アイスランドに来てからそう言ったことは全く無かった。時間が惜しい。とにかく時間が惜しい。今まで一秒たりと無駄にすること無く旅をしてきたから。
アイスランドなんて、そう簡単には来れない。なるべくやり残したことを作らないように、旅を終えたかった。

それでもちょっと早く起きてしまったので、
朝からお風呂に入らせてもらった。
朝風呂! 日本にしかない麗しい習慣である。(たぶん)
しかも出てくるお湯は全て温泉の湯!さすがに総天然檜風呂とはいかないけれども。毎日温泉に浸かれるこの国の人って本当に幸せだなあ。ここに住んでいたら一日三回ぐらいお風呂に入っているかもしれない。

朝食は今日もコンチネンタル・ブレックファスト。
美味。美味である。僕は日本では基本的にオレンジ・マーマレードはあんまり好きではないんだが、ここアイスランドのオレンジ・マーマレードは美味しかった。トーストをいっぱい焼いてたらふく朝食を食べた。お昼になるまでお腹空かないようにね。
健全な食欲は健全な肉体に宿る!(by 終くん)

さて、本日の予定は、レイキャヴィーク周辺の観光だ。昨日までのような片道400kmと言った無茶なドライブをする必要はない。
まず行くところはシングベトゥリール。
とても荘厳な響きを持つ地名だ。
ここシングベトゥリールは、ユーラシアプレートと北アメリカプレートの境目である。日本で沈み込んだプレートが、ここシングベトゥリールから上がっているのだ。地面からニョキッと生えているように見えるプレートは、遥か遠く彼方の日本からやって来ているってことを考えるだけでも、すごく不思議な気がする。こんな遠くの地に来たのに、だ。アイスランドの人々は、日本でプレートが沈み込んでいることを果たして知っているのだろうか? 

そして僕らは次の目的地ゲイシールに向かう。
距離的には、シングベトゥリールより30kmぐらいのところなのだが、道は未舗装路。舗装路では時速130キロで走って行く僕らだが、さすがに未舗装の道では大してスピードは出せない。この雨の中、またスピンでもしたら大変なことになる。
リッジ・レーサーから一気にセガ・ラリーに変わってしまったみたいだ。この時点での運転は僕が担当したのだが、まあ大変だった。道に出来た水たまりをよけきれない。ヴィッツは悪路を走るようにできた車じゃないし・・・
とにかく慎重に走った。外の景色は天気も悪いせいか、遠くは靄がかかっていた。ナウシカに出てくる腐海ってこういう世界を言うんだろう。外は、相変わらずの溶岩台地だった。短い草木以外は生えていない。そう、何度も書くが、アイスランドには森というものが無い。少なくとも僕らが通った道には森林と言うものは無かった。それが今まで行った土地とは一番異なる点だ。

ゲイシールは世界的にも有名な間欠泉だ。
数分に一度、30mの高さにお湯が噴き出すのだ。それはもうすごい迫力!
まさにアイスランドのシンボルと言ってもいい場所である。しかし、いつお湯が噴き出すか分からないということも有って、結構、写真撮るのに苦労したなあ。さすがにここはものすごく有名な観光地で、雨の中というのに人は一杯来ていました。ゲイシールは、こうして人がたくさん来ている昼間は勿論、夜の間も一晩中、熱湯を噴き出しているんだろうな。ライトアップの設備なんて無かったけど、ずっと数分置きにお湯を吹き上げ続けているゲイシールの姿をまた、僕は日本でも思い出し続けるんだろうなって、この時感じた。


さーて自然は素晴らしかったんだけど、全然素晴らしくなかったのはこの日の昼食。まあ適当に食べるところなんてゲイシール付近のドライブインみたいな所しかなかったわけでありまして、まあ僕は本日のスープとパン、川上はんはサラダとコンボチキンのセットを頼んだんだけど・・・どっちもかなり今一つ!!! スープなんて絶対俺に作らしたほうが美味い!!! と断言できるような代物でありまして、川上はんのチキンコンボもなんか冷凍食品を使ったんだろうけどジューシーさの全く無いパサパサチキンでありました。しかも高い! 食後に食べたソフトクリームは美味しかったんだけどね。

次はアイスランド最大の滝、グトルフォスに。
川上はんは滝には全く興味が無いらしく、今日のルートには全然入っていなかったのだが、地図をよく見るとゲイシールのすぐ近くじゃん! せっかくだから行かねばと行くことにした。興味無さ気な川上はんを尻目に行ったのだが、いやあ、本当に壮大な滝だった。雨が結構激しくなってきたので、あんまり長いことはいられなかったのは残念。天気が良かったら、ものすごい景色がきっと見られたんだろうな。

そして出来たらということで、遂に氷河に足を伸ばしてみることに。
今まで回ってきたのは、火山とか地熱地帯とかとか、どっちかというと、アイスランドの「火」の部分ばかりだったんだけど、やっぱり氷の部分も見ておきたい。ただし、氷河に至る道は未舗装路。おまけに、天候は雨。いけるところまで行こうと言う事で、足を伸ばしたのだけど、ダメだった。途中で、すごい大きな水たまりがあって、さすがにこれを越えるのは無理。 あ〜あ天気が良かったら氷河までは目と鼻の先だったのに〜

気を取り直して、レイキャヴィークに戻った。
今から戻ったら温泉プール、ブルーラグーンにも十分間に合うだろうし、夜はまたレイキャヴィーク市内を歩いたらいいんだし。
レイキャヴィークの宿に着いたのは午後4時半ぐらいだった。今からならアイスランドの誇る温泉プール、ブルーラグーンに十分行けるだろう。川上はんはあんまり乗り気じゃなさそうだが、ブルーラグーンは何と言ってもアイスランドでも超有名な観光スポットだからね、時間があるなら行ってみたかったのだ。そして幸いにして、観光シーズンをぎりぎり外れたとは言え、今はまだ9月。日が沈むのも遅く、ブルーラグーンも9時迄営業しているということで、ブルーラグーンに行く前にクリースヴィークと言う地熱地帯を経由して行くことにした。アイスランドはもう本当に地熱地帯だらけ。あちこちで温泉が湧き出てるからもう温泉好きな日本人としてはもう楽しくて仕方ないのである。

クリースヴィークに至る道のりは相も変わらず険しかった。道が舗装されていなかったのだ。またしてもセガ・ラリーの世界だ。幸いにして、レイキャヴィークに向かうころから雨はやんでおり、水たまりは依然として残っていたものの、大分走りやすかった。いくらヴィッツの基本性能が高いとは言え、悪路を走るよう作られているとは到底思えない。大丈夫かちょっと心配になる。もちろん、そんなこと考えてる余裕なんて無いんだけど。

小一時間程走っていると、湖が見えてきた。
そして、湖畔からは煙がもくもくと立っている。おおっ! あれがクリースヴィークか!? とりあえず近づいてみることに。地図にも載っている観光地にも関わらず、人気はほとんど無い、高さ2メートルぐらいのちょっとした崖を無理やり降りて、湖畔に近寄ってみた。すごい! 時間があったら川湯温泉みたいなこと絶対やるんだけどな〜
・・・後で分かったんだけど、実はここはクリースヴィークでも何でもなかったのだ。でもすごく雄大な風景だった。大きな湖の側で沸立つ温泉。自然は素晴らしい。そして日本だったら観光地化しているようなこんな場所が、ごく普通に存在してしまうアイスランドって・・・ 結局ホンモノのクリースヴィークはもう少し先にあった。こっちはちゃんとした駐車場もあって、(さっきのところには当然あるはずもない)看板もあったりして整備されていた。でもさっきの場所の方がずっと素敵だったな。湖畔、って言う事もあって。人一人いなかったし。好きなんだ。こういうマイナーな場所ってね。

クリースヴィークを通過して、そして僕らはまた悪路を進む。一応、海岸線。本当に、何もない。さいはての国。相変わらず火山岩に覆われた荒野だった。遠くに見える海岸線に白い波が打ち寄せるのが見えた。白い波しぶき。通っている車は我々だけ、そして車一台通らない道。もしここで車が故障したら・・・生きて帰ることなんて不可能なんだろうなって、ちょっと思った。道端にケルンがあったりして、妙に神々しい。賽の河原ってこういう感じなのかも知れないな、合掌。

そしてようやく舗装された道に出た。羊の群れを追っている人々が見えた。なんか久しぶりに人に会ったのでちょっと嬉しくなった。羊の群は我々の車なんて全くお構いなしに道路を渡っている。後ろからゆっくり追い掛け回す僕ら(笑) ラヴリーシープだった。羊の肉なんてもう食べられねえななんて思ったりした。(しかしこの日の夕食にちゃっかりラムを食べていたりして)羊が道路を渡るので注意って言う標識が実際に役に立ってるの初めてだったりする。(北海道にも確かあるはず) しかし後ろからゆっくり追いかけてた僕ら観光客とは違って、前からやって来たタクシーはクラクション鳴らして羊を車から追いだしてしまった。まあ地元の人だから、仕方ないよねえ。

そしてまた未舗装の悪路を抜けて、やっとのことでブルーラグーンに到着! 7時前ぐらいだった。普通の道で来たら40分で辿り着けるのに、ここに辿り着くまでになんと2時間! まああちこちで写真撮りながら来たって言うのもあるんだけど、でも充実した2時間だった。普通にここまでやって来なくてよかったよ。
ブルーラグーンはアイスランドが誇る温泉プール。なんと1ヘクタールの広さを持つ温泉なのだ。温泉の鉱物が溶け出していて青い色(実際は青みがかった乳白色)をしていることからブルーラグーンと名付けられたんだって。温泉プールなんて書いたけど、温度はちゃんと40度ぐらいあって、プールって言うよりもすごく広い温泉! 勿論日本じゃこんなところあるはずもない。とにかく壮大なのだ。勿論水着着用は義務づけられていて、男女混浴。こんだけ広いと温泉って意識はあんまり無いんだけどね。泳いでみたりなんかもしちゃったりして、楽しんだのだ。とは言え、それなりに熱いので、そうそう長くは入っていられない。1時間ぐらいで退散することにした。ブルーラグーン、所詮人工の温泉だろう、ってふたりとも最初はちょっとバカにしていたはずなのに、こんだけスケールが大きくなると感動だった。恐るべし、アイスランド。

帰り道はもう真っ暗だった。天気はどうも今一つ。曇ってて星は見えない。と言うことはオーロラは見えそうにもない。オーロラツアーとか最初は言っておきながら、オーロラ見えなかったのは残念だった。でもいいのだ。アイスランドはオーロラだけじゃない。これだけの圧倒的な自然が見られたのだから、満足だった。もっと時間が欲しかったけど、もう明日はこの地を立たねばならなければならないのが、すごく残念だった。
そしてアイスランド最後の夜は更けていく・・・






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