 |
 |
■■■
■■
■ ひとりでも
修学旅行のときは、熱出して旅館でお留守番だった。 もともと、ひとりで過ごすことには慣れてたから 少し淋しくて、少しほっとしていた。 そんなことを思い出した。
ひとりでなんでもできるようになろうと思った。 それは他人に迷惑をかけないため、というよりは、 自分がひとりでいられるために。
ひとりなんだ、という意識を、もっときちんと持たなくちゃと思った。
たった半年前、できなかったことが、できるようになった。 たいがいのカジュアルなレストランなら、1人でも入れるようになった。 大きな都心の企業のビルにでも、躊躇なく入って、守衛さんに笑顔でお辞儀をして、はっきりとした声で受付を済ませる。 社会人の人と会話するときの愛想笑いも、だいぶ様になってきた。 以前よりは臆することなく、自分で自分を守ることを、少しずつやれるようになった。
そういうのがなにか役に立つのかって思わないでもないけれど。 とにかく、ひとりでできることを増やしたい。 もしかしたらけっこう長いかもしれない時間を、 ひとりでいるのが辛くないように。
なんとなく、そろそろ遊びに行こうかな、と思って。 どうしても会おうと思う友人が、ほとんど浮かばなかった。 いや、浮かんだには浮かんだし、 そしてまた、遊ぼうね、と誘われてもいたのだけど。 その人たちの時間を割いてもらってまで、 自分と話す価値が、その人たちにとってあるとは思えなかった。 人恋しいけれど、その人じゃなくてはいけないってことはなかった。 そういう不確かさ。
就活期間、何ヶ月でも、友人に会わなくても、過ごしていられた。 ひとりでいろんなところへ行った。 煮詰まったし、淋しかったけど、それはそれで可能だった。
遠く離れたり、休みが合わなかったりして、 自然と会わなくなって、 苦手な電話はもともとしなくて、 苦手な手紙もメールも全然しなくなって、 まるで関係のなかった人間同士みたいに、 それぞれ生きてゆくんだろうか。
2001年06月04日(月)
|
|
 |