unsteady diary
riko



 ひとりでも


修学旅行のときは、熱出して旅館でお留守番だった。
もともと、ひとりで過ごすことには慣れてたから
少し淋しくて、少しほっとしていた。
そんなことを思い出した。

ひとりでなんでもできるようになろうと思った。
それは他人に迷惑をかけないため、というよりは、
自分がひとりでいられるために。

ひとりなんだ、という意識を、もっときちんと持たなくちゃと思った。


たった半年前、できなかったことが、できるようになった。
たいがいのカジュアルなレストランなら、1人でも入れるようになった。
大きな都心の企業のビルにでも、躊躇なく入って、守衛さんに笑顔でお辞儀をして、はっきりとした声で受付を済ませる。
社会人の人と会話するときの愛想笑いも、だいぶ様になってきた。
以前よりは臆することなく、自分で自分を守ることを、少しずつやれるようになった。

そういうのがなにか役に立つのかって思わないでもないけれど。
とにかく、ひとりでできることを増やしたい。
もしかしたらけっこう長いかもしれない時間を、
ひとりでいるのが辛くないように。


なんとなく、そろそろ遊びに行こうかな、と思って。
どうしても会おうと思う友人が、ほとんど浮かばなかった。
いや、浮かんだには浮かんだし、
そしてまた、遊ぼうね、と誘われてもいたのだけど。
その人たちの時間を割いてもらってまで、
自分と話す価値が、その人たちにとってあるとは思えなかった。
人恋しいけれど、その人じゃなくてはいけないってことはなかった。
そういう不確かさ。

就活期間、何ヶ月でも、友人に会わなくても、過ごしていられた。
ひとりでいろんなところへ行った。
煮詰まったし、淋しかったけど、それはそれで可能だった。

遠く離れたり、休みが合わなかったりして、
自然と会わなくなって、
苦手な電話はもともとしなくて、
苦手な手紙もメールも全然しなくなって、
まるで関係のなかった人間同士みたいに、
それぞれ生きてゆくんだろうか。

2001年06月04日(月)
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