| 2007年05月04日(金) |
��題「誘う声、沈み逝く先は」 |
忘却の彼方からの帰還。 本日、恥をかなぐり捨てて、更新。
子供の日なのに、淡く、大人の日的な文をアップ。
一体、ナニよ?と思われましたか。 デ ス ヨ ネ ェ ー !? ご 説 明 申 し 上 げ 候 。
えーと。 遠く遥かイスカンダル的に以前、キリバンから立ち上げた企画7つのお題。 ソレをですね、ご無沙汰しすぎも甚だしい今、ネットの海に解き放とうということなんでございますヨ。
お題を狩りとった頂いた方が忘れ去った頃に、7題を晒す勇者。 そんな勇者を生温かく見守っていただきたい。
Yーこさん、2005年春に狩りにあったことを覚えていますか? 私、強引にお題を狩りましたよね・・・。 アレです。 アレを謹んで、捧げます。 2007年の春に・・・(遠い目)
いやー。 遅いとか、遅筆とか、もはやソレ以前の問題ですナ。 何年たった、お前と、自分の脳に問いかけたい。
実はですネ、だいぶん前に書き上げていたのですが。 ←去年の冬あたり あまりにも自分の誇大妄想が恥ずかしすぎて(今更) アップするかどうかを迷っておったのです。
言い訳です。 すみません。
えーそんなこんなですが(ナニ) Yーこさん、受け取っていただけたら、嬉しいです。 ウフフ・・・!
��題アップ第6弾、Yーこさん版。 頂いたお題;「枷」 SACベース、短文、2本。 4日トグ。 5日バトさん。 になっておりますよ。
サァ、痛ましい妄想の世界へレッツダイブ!!!(笑) ←開き直った
自分の名を呼ぶ男の声、その体躯、その腕。 指先や、唇は。 自分を罪に拘束する鎖。
枷だ。
特に、この声。 鼓膜を撫でるような低音。 無慈悲なそれは、容赦なく、自分を快楽の淵へと引き摺り込むのだ。 囁かれれば、逃れることは容易じゃない。
セイレーンの声に引き寄せられ、沈み逝く船や男達の気持ちとは、こんなものかもしれない。
トグサは埒もなくそんなことを思った。
Siren。
セイレーン、異国の話に登場する、精霊。 海上の独唱者。 時に、半人半魚の姿、更には翼ある姿で著される。
美しい魔性の歌声。 麗しの顔。 男を虜にする為の姿態。
その圧倒的に柔らかな腕、豊満な胸に包み込まれたなら。 足掻いても、逃れることは出来ない。 惹き寄せられ、無抵抗で、沈み逝くのみ。 深く。 更に、深く、深く。 水底よりも暗く闇の支配する場所へ。 女は、男を誘う。 その誘いは、恐ろしいほどに甘く、魅惑的に危険であるが。 それ故に、男は、逃れることが出来ない。
それに、似ていやしないか? この、今の状況は。 トグサは、自分の発想に納得しながら、異常だとも思った。 セイレーンはどこまでいっても、女性のイメージだ。 男性のイメージで想起すること自体、可笑しいではないか。 独り言の様に呟く。
「こんなゴツイ義体のセイレーンなんて、ぞっとする」 「何の話だ?」
熱を分かち合った男の低音が、躯の隅々に響く。
「なんでもないよ」
義眼に訝しげな色が浮かんだが、それは直ぐに消えた。 変わりに、口許に意地の悪い笑みが浮かぶ。
「今日は余裕だな、トグサ」 「余裕なんて、いつ持った?」 「今、さ。俺を前にして考え事するなんて、余裕がある証拠だろうが」 「勘弁してくれ。余裕なんて、これっぽっちもないさ」
トグサは、男から視線を外した。 視覚から、男を消し、せめてもの抵抗を試みる。 これもまた、無駄であると知ってはいるのだが。
「それは、あんたが一番知ってるはずだろう?」
男の声が、いつだって、トグサを捕らえる。 そして、放さない。
「さぁて、どうかな」
電脳を擽る、声。 耳を塞いでも、その低音は、呆れるほど簡単にトグサを縛る。 男が手を伸ばし、肌に触れ、求めれば。 それに否やはない。 口では抗っていても。
なんて、厄介な声だ。
トグサは、男の手が自分の肩に触れた瞬間、諦めの溜息を吐いた。 強引な腕に身を任せ。 容赦のない声に溺れ。 堕ちていく先が、何処なのか。
解らないままに。
T-side END → continued B-side
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