6匹目の兎<日進月歩でゴー!!>*R-15*

2006年02月09日(木)   BT30題「10) シャツの汚れ」

BT30題。
原作ベース。
お色気系とみせかけて、お笑い系の罠。

原トグは怒ってたり、叫んでたりするのが、多い。
原バトさんはニヤニヤしてたり、セクハラしてたりするのが、多い。

それによって導き出される答えは、原作ベース=お笑い系、ということだろう。 ←今更ジャン































「あんたと組むと、ロクなことがない」
朝、自宅を出た時は真っ白だったシャツが、泥まみれで薄汚れてしまっている。
勿論、上着は更に上をいき、目も当てられない状態だ。
トグサは、苦々しげに肌に張り付くシャツを引っ張り、それから、傍らの大男に突き刺さるような鋭い視線を向けた。
そこには、似たり寄ったりの格好をしたバトーがいて、半笑いを浮かべながらその視線を受けている。
「お前と組むと退屈しねえよな〜」
「あんたと組むと、ロクなことがないッ!」
そんな男の態度に、トグサはもう一度、同じ言葉を吐いた。




シャワー室が併設されているロッカールームに辿り着くと、トグサは忌々しげにベンチに泥だらけの上着を投げ捨てた。
それを見ていると任務中に自分に起きた出来事が再生され、腹立たしさが甦るようだ。


天井の抜け落ちた廃ビル。
逃げ込んだ犯人を追って、壁やら柱やらが倒れる悪路を駆けた。
そして、追い詰めた犯人と格闘している最中。

床が抜けた。

そして、落ちた先には折れ曲がったパイプから滴り落ちた水が溜まっており───。


結果が、コレである。
犯人は無事に確保したものの、間抜けといおうか、ナンと言おうか。
床が崩落した瞬間、犯人(サイボーグだった)を放り投げて、自分を庇ってくれたバトーに対して怒りの矛先を向けるのはどうかと思うが。
ぶつけないではいられない気持ちも、解ってもらいたいものだ。
「わぁるかった!トグサ君」
全く悪いと思っていないバトーのその言葉に、更にトグサの腹立たしさが募る。
でも、これはバトーに対するもの、というよりは自分の間抜けさ加減に対するものだった。
しかし、そんなトグサの複雑な感情など知らぬ気に、義眼の大男は口の端を意味深に引き上げると言葉を次ぐ。
「お詫びに」
瞬間的に、この先の言葉は聞きたくないと脳が判断した。
このカオ、この言葉。
きっと、ロクでもないことを吐くに違いない。
「遠慮する」
トグサは、速攻で断ち切った。
しかし、どれだけ予測が当たって、それに適した対処しても、この男が相手では。
「脱がせてやるよ」
全く、露ほども、効きやしない。
「遠慮するって言ってんだろうが。このエロサイボーグッ!」
「遠慮するこたねぇよ。俺とお前の仲じゃねえか」
「ドンナ仲だぁーーーーー」
バトーは嫌がるトグサの汚れたシャツをひん剥きながら、楽しげに鼻歌を歌う。
「ふざ、けんなっ!」
いつものように、全力で抵抗していると。

「何やってんだ、お前ら」

せめぎ合いを割るように、平然とした声が響いた。
「!!???」
「悪いが、ヤるならここじゃなく、仮眠室に行ってくれ」
声をした方を見遣ると、そこには、動じた様子さえ無い男が立って居た。
隻眼の狙撃手、サイトーだ。
「俺は人の濡れ場を見る趣味はないんでな」
助ける気配すらなく、意地の悪い笑みを浮かべるサイトーに、トグサはがっくりとうな垂れた。
弱々しく呟く。

「ここは、ほんとに優しさのない職場だよ・・・」

トグサの言葉に口の端を引き上げた狙撃手は、二人のことなど気にした風もなく、さっさと服を脱ぎ捨てシャワー室へと消えていってしまった。
「うう、サイトーめ。少しは気にしろよ」
恨み言を呟くと、能天気な声が腹の立つことをのたまった。
「ほれ、サイトーもそう言ってるし。気にしないで続きしようぜ?」
「 ナ ン ベ ン 言えば分かるんだッ!この ク ソ 野 郎 ー ー ー ー ッ !!!」
トグサの絶叫がロッカールームに響き渡った。








END


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武藤なむ