| 2005年04月20日(水) |
11のお題 「流し目でちらちら �А(寝困米�」 |
これにて、本当に終了。 長々とお付き合い、ありがとうございました!! (あと、ちょこっとだけ、お付き合いいただきますが☆)
えー。 最後に一言。 スン止めで、ごめんなさいでした・・・・・orz
いや。 途中、話を裏仕様にしようかどうか、考えたりもしたんですが(笑) やっぱり、最初に考えた話の展開で書ききることにしました。 あーでもない、こーでもないと話を練って。 結果。 この話の中で、”トグサ君とバトさん”と裏仕様が結びつかなかったのですなー。 ご容赦・・・orz
裏仕様な展開の話は、後日、また別の話でリベンジということで(笑)
いつまでたっても、現れない査察官とその補佐官に。 陸自の事務方が一人、様子を見に来たのは、マルキュウサンマルを過ぎた頃で。 更には、朝礼に現れない兵士を探しに来た階級が少し上の兵士一人が。 トグサに与えられた部屋の前で鉢合わせしたのは、天の配剤とでもいうべき、ことだった。
開きっ放しのドア。 そして、そこから見える位置に口も目も開いたまま転がる、電脳錠つきの男。 二人の男は、驚きを隠しきれない顔を見合わせた後。 姿勢を正し、引き攣る声で、中に声をかけた。
「失礼します。査察官、起きていらっしゃいますか?」
何とも、間の抜けた問い掛けではあるが。 これ以上、言いようがない。 というか、何と言えばいいのか。 分かる訳がない。 すると。 部屋の主ではない、声が応えた。
「起きてるさ、俺が、昨夜っからな」
内部から聞えた、ドスの効いた腹に響くような低音に、二人は竦みあがった。 これが、補佐官の声であることを二人は知っていた。 何故、こんな事に?? そう思い、さらにある考えが、ほぼ同時に二人の脳裏をよぎる。 けれど、それはあえて考えないことにした。 すでに、目の前に恐ろしい答えが転がっているというのにだ。 が、それを突きつけようとする、声がする。
「入って来い」 「よ、宜しいんでしょうか?」
事務方が、上擦るような声で聞き返すと、良いって言ってんだろうが!と罵声が響いた。 二人は慌てながらも、いつもの習性で背筋を伸ばし駆け足で中に入った。 壁際に立ち、引き攣る顔を声のほうに向ける。 声の主の、銀色の義眼がそこにあった。 義眼の補佐官は、壁際に立って固まる二人のうち、事務方のほうを見遣ると声をかけた。
「よう。悪かったな、わざわざ迎えに来てもらっちまって」
そして。 そこには、義眼のサイボーグの補佐官に守られるように抱きかかえられた、査察官がいた。 毛布に包まれ、補佐官に身を預けるように眠っている。
「「 ─────────── 」」
二人はその光景に、言葉をなくした。 この光景で、振り払った自分達の考えが、的中していることを知る。 そんな男二人を見る義眼の下の口許は、実は、意地悪そうな笑みを浮かべていただけなのだが。 それを怒りを殺していると見てとった哀れな男達は、背筋に氷のような汗を流した。 そして、補佐官は、もう一人の男に声をかける。
「そっちは、そこに転がってる男の隊の奴か?」 「はいっ!そうであります!!」 「所属部隊名は?」 「新浜駐屯地第一師団思考戦車連隊、所属であります!」
事務方よりも、いっそう、声を上擦らせたのはこの男だろう。 何せ、この事態の原因の男と直接、関わりがあるのだから。
「そうか。じゃあ、そこの目障りな奴を回収してってくれ」 「りょ、了解しました!!」
その男の返事に、査察官が身じろいで、補佐官に頭を摺り寄せた。 それに補佐官が、優しい笑みを浮かべる。
二人は、沈黙を守った。
「それと」 「はい、何でしょうか!?」 「未遂だろうが、何だろうが」
補佐官の声が、また凄みを増す。 「うちの坊ちゃんに手ぇだした落とし前はつけてもらうぜ」 二人は、その言葉に、唾を飲み込んだ。 「師団長に、そう言っとけ」 「了解しました!!!」 敬礼した、二人の手が震えている。
「ああ、それから。昼から施設を廻る。そのつもりでな」 「はいっ!」 「行ってよし」
その言葉に、二人は弾かれたように動き出した。 そして、忘れずに転がっている男を回収する。 両脇に手を差し入れ、引き摺るようにして、部屋を出て行く。
「 「 失 礼 し ま し た ー ー ー ! ! ! 」 」 次いで、ドアの閉まる機械音もした。
「くっくっく、気の利いてる奴らだ」 バトーは、堪えきれずに、大声で笑い出した。 これで、平穏な日の出来上がりだ。 明日には大手を振ってここを出、本部に戻る。 バトーはニヤニヤしながら、抱きかかえたトグサをベッドの上に横たえ、強制認識の解除コードを流した。
「起きろ、トグサ」 「─────────」 「トグサ」 「───ん、ぅ」
眉間に皺がより、それから、ゆっくりと目が開いた。 いつもの澄んだ茶の瞳がバトーの義眼を捉え、それから何度か瞬きをした。 トグサは、目を擦り、身体を起こした。 それを見たバトーは、最後にデータをチェックをし、トグサのプラグからコードを引き抜いた。 前髪を乱暴に掻き混ぜてやると、トグサが非難の声をあげる。 「・・・・何すんだよ、旦那」 「ふん、オクスリは抜けきったみたいだな?」 「オクスリ?・・・・・・何のこ、と」 そこまで言って、トグサの顔が恥ずかしいのか悔しいのか、複雑な表情で覆われた。 「っぁあああああ、そうだったぁあーーーーーーー!!!」 頭を抱えて、煩悶する。 「何か、よく覚えてねえけど・・・旦那、ゴメン!!!」 「ふん?」 バトーはにやにや笑いを止めない。 昨夜の出来事を可能な限り、思い出そうとするトグサの顔が、徐々に紅潮していくところを見ると、ログがきっちり残っている場面もあるようだ。 それに、バトーのにやにやが、いっそう深くなる。 「昨夜から今までの、ログ見るかあ?」 「いっ、いい!?見せなくていい・・・!!!」 「何でだ?情報の確認は、怠るべからず、だぜ?」 バトーの意地の悪い笑みに、トグサは首を振り、悲鳴に似た声で。 「見せなくていい・・・!!!!」 叫んだ。
これが、平穏な日の始まりというならば。 たいがいの日が、平穏だろう。
END
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