6匹目の兎<日進月歩でゴー!!>*R-15*

2005年03月05日(土)   鬼の守人   <四>

ども。
「鬼」の<四>をアップです。
1話だけなんで、凄い短いですが(汗)ご容赦を。

やっと、彼を書けますよ。

義眼をどうするのよ?と考えて、苦心の末、あんなになりました。
あれもあり、の方向で。
お願いしたいです。

もう、好き勝手やりすぎだぜ、自分。
と思うのですが。
愉しいので、暫くはこのままかと・・・・・(笑)

もうちょっと、お付き合いいただけると、有り難いです。

ところで。
漢字変換、わかりますかね?
字面のいい漢字を当てはめてるつもりなんですが(汗)
ま、もしもの時は。
皆、出揃ったら。ずらーと、書き並べますです。
























四・その男


その男が纏う気は、濃密で。

兎草は気おされる様に一歩、退いた。
桜から、そして男から、更に離れるために身を引く。
鼓動が、可笑しくなるくらい、早鐘を打った。
兎草が今まで視てきた者達とは、何かが、決定的に違っている。
こんな霊体は、視たことがない。
これほどの、圧倒的な力も感じたことがない。

兎草のもとに駆け寄ろうとしていた庇護者達も、あまりのことに身動き一つ出来なくなっていた。
妖しの者達でさえ、この男の気に圧倒されているようだった。
波厨も、犀灯も、ただ男を見つめるだけだ。

「時節ってやつが、来たって事か?なら、仕方ねぇ、目醒めるとするか」

男の低く、深い声が、兎草の耳に響いた。
兎草の足元が、砂を食む音を立て、その微かな音に男が反応する。
男の顔が、兎草の方を向いて。
その覆われた目で、正確に、兎草を見つけた。
再び、男の声が兎草の耳を打つ。

「お前、良い匂いがするな」

男は、ふと考えるように口許に手をあてがうと、頷いた。

「──────ああ、この匂いは、覚えがある・・・いつも感じていた気、あれがお前だな?」

男は、兎草に向かって、一歩踏み出した。

瞬間。

庇護者達は、我に返った。
己たちの主の命が、四肢中で響き渡る。
『波厨、犀灯・・・兎草を頼む。護ってやって、あの子を』
その場に、二匹を縛り付けていた鎖が解かれた。

[犀灯、行け!素子に報せろ]

波厨はそう叫ぶと、兎草の前に身を躍らせた。
男の目から兎草の存在を隠すかのように、小さかった狐の四肢が、炎が燃え盛るかのように変わっていく。
それをちらりと見た隻眼の猫は、一瞬、躊躇いを見せた。
己も此処にいて、子供を護らねばならぬのではないか。
が、犀灯は身を翻すと来た道を駆け戻っていった。
二つに裂けた尾が、空気を打ち、漆黒色の小さな体が闇に紛れた。


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武藤なむ