蹴文修記

2006年05月11日(木) サッカーで話そう、その9

「思い出話【その2】書家との出会い編

2002年6月5日カシマスタジアム。
ドイツ対アイルランド。
この感動的な試合を覚えていますか?

開始20分、クローゼのゴールで先制
点を奪ったドイツは、その圧倒的な
統率力とGKカーンの眼力によって、
アイルランドの攻撃を跳ね返し続ける。
どうあがいても、強固な壁は崩れそうに
思えない。

しかしアイルランドの諦めない姿勢は、次第に観客を
惹きつけはじめ、試合終盤にはまるでスタジアムが
アイルランドホームのような雰囲気に包まれていく。
そして生まれた、感動的なロスタイムの同点ゴール!
ロビー・キーンの弓を引くポーズはまだ眼に焼きついている。

多くのひとが大会のベストマッチに数えるこの一戦、
その試合開始前、僕らは彼に出会いました。

怪しげな 書家

作務衣のような装束(たぶん同色の浴衣)に身を包み、足袋と草履を履いた彼。
カシマスタジアム名物の露店が立ち並ぶ裏で、
彼はダンボールを芝の上に敷き、プラスチックのトレイに墨をすり、
やおらサラシのような紙を広げ、(ちょっと迷いながら)書き始めた。

“突破”

日本代表のグループリーグ突破か!?
ああ、日本が突破したらこれをスタジアムで広げるよ!
君の気持ちを長居に持って行くよ!
でも持ち帰ってみれば、墨が薄くて使いモノにはならず。。。残念。

**

W杯。

スタジアムの中で素晴らしい試合、プレーに出会えることもあれば、
現地に赴くだけでもこんな貴重な出会いがあります。
チケットがなくとも、スタジアム周辺に足を運んでみてはいかが?

いや、何が貴重かは、考え方によるだろうけど。。。
彼は、何かを突破できたのだろうか?
僕も何かテーマを持って行くべきなのか?



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