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 The Field Guide (The Spiderwick Chronicles,1)/Tony DiTerlizzi & Holly Black

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『The Field Guide』は、ファンタジー小説「Spiderwick Chronicles」全5巻シリーズの第1弾。主人公は、グレイス家の3人の子どもたち。13歳の長女マロニーと9歳の双子の弟、ジャードとサイモンが、ビクトリア朝のお屋敷に引っ越したところから物語は始まる。壁からは、奇妙な音が聞こえ、マロリーがホウキでつつくと中からは…。

「Spiderwick Chronicles」シリーズは、全巻が、グレイス家の3人の子どもたちが著者へ宛てた手紙で始まり、個性的で夢のあるストーリーが続く。「妖精の国の手引書」を発見したり、朝目覚めたらベッドのヘッドボードに髪が結びつけられていたり、次から次へとおこる不思議な出来事にわくわくさせられ、読者は、ページをめくる手が止まらなくなってしまうだろう。

数ページごとにはさまれたペン画の挿絵は、コルデコット賞受賞作家トニー・ディターリッジによるもの。3人の子どもたちの表情、古ぼけたお屋敷や埃っぽい屋根裏部屋の挿画は、読者を物語の不思議な世界に誘い込むだけでなく、英語が母国語でない読者が物語を理解するのを助けてくれる効果がある。映画化も決まった、この新しいファンタジー・シリーズは、「ハリー・ポッター」の次に何を読むか迷っている世界中の読者の心をひきつけるだろう。(尾辻夏子)


本が増えたので、本棚の整理をしていて、つい手に取ったこの本。他に読まなければならない本が山積みなのだが、そもそも読むのを楽しみにしていた本だから、ちょっと冒頭だけ・・・のはずが、ついつい引き込まれてしまった。本の作りとかはレモニー・スニケットの<不幸シリーズ>にそっくりだが、中身はファンタジー。

普通の子供達が、両親の離婚により、母親と一緒に引っ越してきた古い家。そこには、ちょっとおかしいと思われているルシンダ大伯母さんの、父親アーサー・スパイダーウィックの残した、妖精の手引き書があった。この本に書いてあることを信じ込んだジャードは、母親はもちろんのこと、姉のマロリーや双子の兄弟サイモンにもなかなか信じてもらえず、絶対に妖精を捕まえるぞと決心する。だが、ある日姉弟3人がアーサー・スパイダーウィックの秘密の部屋に行ってみると、鉛筆サイズの妖精が現れる。

1巻目はここで終わってしまうので、すぐにも2巻目に手を伸ばしたいところ。1巻目は、妖精たちとの出会いに至るまでのプロローグといった感じ。全5巻の予定のこのシリーズ、おそらく全部合わせても、ちょっと厚めのファンタジー1巻分くらいだろう。短いのであっという間に読めるのはいいが、この先はどうなるのか、どんな妖精たちが出てくるのか、彼等は何をするのか、どんな冒険が待っているのかと、子供達は次の本が出るのが待ち遠しいに違いない。

いうなれば、スティーヴン・キングの『グリーンマイル』のような出し方。ディケンズも用いた、この小出しに出版するやり方、それがいいというわけではないが、この本は内容も面白いし、この程度の分量でも十分想像力をかき立てられ、夢中になれる。イラストも内容に合っていて、なかなかいい雰囲気を出している。早く続きを読みたいと思わせる要素は十分ある。

なにげなく、あっさり読めてしまうけれど、今後の展開によっては、非常に楽しいシリーズになるだろうと思う。とりあえず1巻目は、読者の心を掴むのに成功していると言えると思う。

2003年10月26日(日)
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