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■ 銀河ヒッチハイク・ガイド/ダグラス・アダムス
銀河ヒッチハイク・ガイド ある日、突然、地球は消滅した。誰も知らないうちに銀河バイパスの用地に指定され、立ち退き命令まで出ていたのだ。たったひとり生き残ったのは、サエない男アーサー。地球に住みついていたベテルギウス人フォードに助けられ、宇宙ヒッチハイクをする破目になったが、まず出くわしたのは、地球破壊の元凶ヴォゴン人の宇宙船だった・・・。おかしくもちょっと悲しいSFパロディー。 ─カバーより
※画像は原書『The Ultimate Hitchhiker's Guide』/Douglas Adams
この本は、イギリスBBCラジオで放送された人気ドラマのノベライゼーションで、SFのジャンルではかなり有名な本らしい。いかにもSF的な名称が出てくるのがいい。文字にしてみると中国語みたいだが。(^^;
十億大頭脳(ミリヤード・ガーガンチュブレイン) 億兆星精神(グーグルプレックス・スター・シンカー) 超巨大母型同族中性子頭脳(グレイト・ハイパーロビック・オムニ=コグネイト・ニュートロン・ラングラー) 多層明晰中性子巨大頭脳(マルチコーティコイド・パースピキュトロン・ティタン・ミューラー)
などなど。ちなみに私が好きなのは深思考(ディープ・ソート)。こんな言葉ばかり出てきたら、原書はちんぷんかんぷんだろう。続編の『宇宙の果てのレストラン』もちょっと気になるところだが、絶版なので原書で読むしかない。
基本的にストーリーは面白い話だと思うが、もともとラジオ番組だったもので、小説として書かれたものではないから、ドラマ仕立てっぽいのがちょっとしっくりこない原因かもしれない。イギリス的なユーモアは、面白いと思えばはまるけれど、そうでない場合は悲惨。「ミスター・ビーン」を好きか嫌いかで、この作品を面白いと思えるかどうかが決まりそうな、そんな感覚。ただ、しっかりSFしてるので、そのジャンルに興味があれば、その点では楽しめる。
SFにはまっていた頃に、ナンセンスSFというのが流行った時期があって、日本のものでは筒井康隆の『虚構船団』などを読んだが、不条理なドタバタ、ハチャメチャSFという感じで好きではなかった。『銀河ヒッチハイク・ガイド』もその線かもしれない。
個人的にはナンセンスものはユーモアとは思えず、ちょっと引いてしまうのだが、原書のコンプリート版を、値段も安かったので持っていても損ではないだろうと思って買ってしまったが、届いてみたらあんまり大きくて分厚いので、もしかして邪魔かも?という感じ。ただ、ナンセンスものを日本語にするとだいたいが失敗に終わるものだから、原書で読んだほうがきっと面白いに違いないと、前向きに考えてみる。
2003年10月25日(土)
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