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 ゾエトロープ[noir](B+)/フランシス・フォード・コッポラ編

1997年の創刊からはや6年。「優れたストーリー」を求めて映画監督フランシス・フォード・コッポラが立ち上げた季刊文芸誌『ゾエトロープ・オールストーリー』は、全米の若き才能に向けて自由な表現の場を提供し続けている。『ゾエトロープ・オールストーリー』を経て、すでに人気と地位を確立した作家も少なくない。このコッポラの理想郷ともいえる雑誌の中から、今回、日本オリジナルのベスト版第三弾となる本書には、厳選した七編を収録。
─カバーより

<目次>

●Alicia Erian アリシア・エリアン
「You」/You

●Karen E.Bender カレン・E・ベンダー
「Anything for Money」/金のためなら

●Karl Lagnemma カール・ヤグネマ
「Zilkowski's Theorem」/ジルコフスキの定理

●David Benioff デイヴィッド・ベニオフ
「The Affairs of Each Beast」/それぞれの獣の営み

●Rick Moody リック・ムーディ
「The Creature Lurches From the Lagoon : More Notes on Adaption」/ラグーンから忍び寄る怪物

●Toure トゥーレ
「A Hot Time at Church of Kentucky Fried Souls and the Spectacular Final Sunday Sermon of the Right Revren Daddy Love」/ケンタッキー・フライドソウルズ協会の熱い日々、そしてダディ・ラブ師の華麗なる最後の日曜礼拝

●Francine Prose フランシーヌ・ブローズ
「The Witch」/魔女(あるチェーホフの物語にちなんで)


今回は、リック・ムーディの作品を除けば、全部面白い作品だった。これまでの日本版「ゾエトロープ」も、そこからお気に入りになった作家もあったし、それぞれ特徴があって面白かったが、3冊出ている中では個人的にはこれが一番好きかも。

リック・ムーディをなぜ除くかというと、彼の作品だけ、小説ではなく自分の映画製作に関する話といった感じだったからで、このアンソロジーに入っているのが不思議といったものだったからだ。

デイヴィッド・ベニオフは初の長編小説『The 25th Hour』が映画化され、まさにコッポラの「ゾエトロープ」的発想にはまった作家だろう。そういった意味では、ここからどんどん面白い作家が巣だっていくのを、読者も楽しみにしたいところ。年末には[noir]と対の『ゾエトロープ[blanc]』が出版される予定なので、また新しい才能に出会えることを期待したい。個人的好みとしては、アリシア・エリアンとトゥーレの作品が特に面白かった。


2003年09月13日(土)
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