空色の明日
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2010年06月23日(水) 葬儀

本当は私と弟の家族と母とで
まるで誰かのお誕生日かお盆か正月に
みんなでご飯を食べるように
葬儀をしたいくらいの気持ちでした。

それでも母方の祖母の面倒を
ずっと30年近く見てきた父のことを
母の兄弟が放っておくわけもなく
とにかく親戚と家族だけで葬儀をすることにしました。

通夜も表立ってはしませんでしたが
日曜日ということもあり
仕事のあるいとこたちはその日の夜に
挨拶に来てくれました。


みんなが次第に帰り
私と弟と母だけになりました。
弟が近くでビールを2本買ってきて
グラスを4つ持ってきました。
あぁ、4人か。
そうだったと思いました。
入院してから水さえ飲めなかった父を
思うと大好きなビールを前にして
とても悲しい気持ちになりましたが
「死んだらもう食べたり飲んだりすることは
私たちとは違うからもう気にしてはいけない」と
母が言いました。

ゆっくりと静かに夜が過ぎる中で小さく母が
「本当に心のきれいな人だった」と
お棺の中の父を見ながら言ったことが
ずっと心に残りました。


葬儀は花が大好きだった父の好きな色の花を
いっぱい飾って子供たちは近所で咲いていた
花を摘み取ってきてくれお棺に入れました。

お焼香をする人、神に祈る人、
みんなそれぞれ好きな形で別れを告げてもらいました。

焼き場でお別れをするときとてもつらい気持ちに
なるのではないかと思いましたが
最後の呼吸が終わったときから
なぜか、もうその体の中身はからっぽで
まるで脱皮したあとの抜け殻のように思えていて
あまり悲しい気持ちにはなりませんでした。


短いようで長い2ヶ月と10日の
父と私たちの最後の団欒が終わりました。


安藤みかげ