空色の明日
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気管切開の手術の前に レントゲンとCTの検査が再度行われました。
前回に検査してから1週間。 挿官しているチューブは気管が細くなっているため 通常より細いチューブでした。 そのチューブが1週間前よりあきらかに 押しつぶされ変形していることがわかりました。 それほどに癌が大きく気管へせり出していたのでした。
担当医は呼吸器科の先生で 「かなりリスクの高い手術ですので 覚悟をしてください」と言われました。 以前、足の静脈瘤の手術のときでさえ 不安でとても神経質になった父だったのと もしかしたら今夜が最後になるかもしれない という思いもあって弟と母と私と交代で 夜はずっとそばにいました。
まだベッドが空かないため救急部のままで 夜にもひっきりなしに新しい患者が 次々に運び込まれるフロアでした。 そんな激しい環境にもかかわらず 看護士の方々は誰もみな父だけでなく 私たち家族のメンタル面までとても気遣ってくれ 癌と告知されたときにも ずっと温かく声をかけ見守ってくれていました。
生まれて初めて家族を失うということが どういうことかということに直面した夜でした。 いろんな思いが溢れてくるのに 言葉にすると不安にさせると思い 何もいえませんでした。 けれど今までもそうでした。 言葉の少ない父だったけれど いつも何も言わないでも必ず求めることを用意して 待っていてくれる人でした。 だからそばにいるだけで何もかも伝わるような気持ちでした。
そして夜があけました。
安藤みかげ
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