空色の明日
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2010年06月04日(金) チューブ

医療とは人の生命を維持すること。
そして人工呼吸器とは、たとえ本人の意思が
どうであろうとも一度つけた限りは
その命が絶えるまではずすことは出来ないのが
今の医療の考えです。


口から挿官したチューブは大抵1週間〜2週間で
はずすものだそうです。
というのも、やはり雑菌が肺に入って
肺炎を併発する可能性があるからだそうです。

ようやく連休が開け癌の細胞検査が始まりました。
体の外から細胞を取って行う手術では
結果が陰性だったため、今度は内視鏡で
食道の細胞を採取して検査が行われました。

口にチューブが入っている状態は
非常に患者も苦痛を感じるため
安定剤が投与され半分は眠ったような
ぼんやりした状態にするのだそうです。
眠らせることも当然出来るわけですが
私たち家族がいることから、覚醒している状態で
しかも苦痛を感じない程度という微妙な状態を
維持するように医師は心がけてくれていました。

当然声もだせないため、話をすることができません。
50音字をならべたボードを作ったり
筆談なども試みましたが
老眼のためメガネ無しでそれらを見ることもできず
また安定剤のためすぐに眠気が訪れて
意識を長時間維持することが難しく
結局思いが伝わらない苛立ちを与えてしまうだけで終わりました。

そうこうしながら1週間ほどたって検査結果がでました。
やはり陽性。
末期の食道癌と診断されました。
末期になると患部を治療しても食道をつなげることが
できないため結局手の施しようがないことだけが
告げられました。

私たち家族は
「たとえ命が短くなったとしてもいいから
とにかく苦痛を少しでも感じないようにしてやってください」
とそれだけを医師に願い出ました。

そこで今、口に入っているチューブをはずして
気管切開しのどからチューブを入れるようにすれば
口の不快感がなくなり、声は出なくなるけれど
今よりはコミュニケーションもとりやすくなるだろう
ということになり、その手術をしてもらうことになりました。

月は3月から4月に変わるところでした。
公立のその病院でも人事異動の季節でした。
交代で入ってくる新しい先生に異動早々の
過密なスケジュールを無理にさいてもらい
手術してもらえることになりました。


安藤みかげ