紫
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| 2004年03月03日(水) |
捨てることはいつでもできる。 |
「あ…」
ちょっとつまづいた瞬間、右足の靴の内側が靴底から離れて、パカっと大きな口を開けました。
「あ〜ぁ…」
用事を済ませてから、近所の靴屋さんに行き、新しい靴を探しました。
靴屋に汚い靴を履いていくと、みんなが私の足元を見ているような気がして、ちょっと気恥ずかしかったけれど、小一時間ほど探して、新しい靴を買いました。
「こちらの靴は、お包みしますね」
もう十年近く履きならした靴。
よく見ると、左足のほうも穴があきかけていて、見るも無残。
このまま持って帰っても、もう履かないだろう。
ここで捨ててもらおうかな。
私の汚い靴をていねいにていねいに箱に入れている店員さんに、私は、
「この靴、まだ修理できますか?」
と聞いていました。
私は足が少し弱いので、靴はあまり買い換えません。
同じ靴を毎日履いて、自分の足になじませます。
靴ずれができても、がまんして履いていくと、いつの間にやら、靴が私の足の形を覚えてくれます。
この靴も、私の足をがんばって覚えてくれました。
靴の中がぼろぼろになってきたな、と思ったら、母が市販の靴底を入れてくれて、また履いて。
「もう少し、履きたいんです」
そう続けると、ていねいに靴の箱のふたをしめた店員さんは、私を同じフロアの修理センターまで連れていってくれました。
「直るといいですね」
ていねいにおじぎをしながら、笑顔で売り場に戻っていった店員さん。
ということで、私の汚い靴は、今、修理中。
ちょっと時間はかかるようだけど、でも、また履けるようになるとのことでした。
あのとき、店員さんが「この靴、どうしますか」と聞いていたら、「捨ててください」と即答していたと思います。
「捨てることはいつでもできる」
ふと、母の言葉を思い出したひとときでした。
おやすみ。
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