「なあ、今日天気いいし」
朝ご飯を食べながらふと顔を上げて進藤が言う。
「後で結婚しねえ?」
まるで買い物にでも行かないかというような、とても軽い調子だった。
「ああ、…うん、いいよ」
返すぼくもごく普通のこととして、散歩に行くようなノリで答えた。
「だったら折角だから昼は外で食べようか」
「そうだな。どこかランチ美味い所で」
「パンを買って公園のベンチで食べてもいいけど」
「そっか、そういうのも有りだな」
じゃあ届け出した後に気分で決めようかと、そういうことになり、後はまた普通に朝食の残りを食べ続けた。
朝ご飯の内容は、焼きジャケと白菜と小松菜の味噌汁と焼き海苔と漬け物。
ごくごく当たり前の平凡過ぎるメニュー。
それでいいと思うし、そうあるべきだとも思った。
仰々しいことは必要無い。
(だって)
するべきことをするだけだから。
そう思えるようになるまで時間がかかったということだろうかと思いながら、ぼくは食後のお茶を入れ、進藤に湯気のたつ湯飲みを差し出したのだった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※
大仰にすること無く、自然にさらっと届けを出してくれてもいいなあと思います。 でもそれを2月14日にするのはヒカルの意地って言うか(笑)さらっとなりきれない所かもしれないです。
|