SS‐DIARY

2016年08月28日(日) (SS)ぼく馬鹿


8月も残り少なくなったある日、カレンダーを眺めていた進藤が、唐突に「あっ」と言って立ち上がった。

かけてある壁に近寄り、指で日にちを辿るようにしてから振り返る。


「今度の週末、おれもおまえも休みじゃん。やった!」


嬉しそうにはしゃぐ声を聞きながら、ぼくは憂鬱な気持ちになった。

特に何をしたというわけでは無いけれど今月は出費がかさみ、少し家計を引き締めたいと思っていた所だったからだ。


「悪いけど、どこにも行かないよ。遊びに行くお金なんか無いから」


曖昧に言っても効かないので、少々きつめに真顔で言う。


「折角の休みだけど、ぼく達に出来ることは精々一日中家でゴロゴロしていることくらいだね」


言い過ぎたかな? と思ったけれど、進藤は少し驚いた顔をしてから次にぱあっと満面の笑みを浮かべた。


「……天国かよ!」


冗談では無く、心底喜んでいるような様子に、逆にぼくの方が驚いてしまった。

ああ、彼がぼくバカで本当に良かった。


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基本、ヒカルはアキラと一緒に居られればそれで幸せなタイプです。


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